アブラマシマシ注文する人が知らない残念な真実 糖質制限してもムダ?肥満になる「別の要因」

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あぶらの入ったおいしい料理を食べると、ドーパミンという化学物質が活性化され、脳内の「報酬系」と呼ばれる部位が刺激されます。ここが刺激されると快感を得ます。アルコールや麻薬で快感を得るのも、この報酬系のシステムによるものです。人は快楽原則にのっとって生きているので、「もっと気持ち良くなりたい」と思います。だから、ドーパミンを出すために、徐々にあぶらの摂取量が増えていくのです。

また、脳の視床下部には「満腹中枢」という満腹感を得る部位があります。あぶらを摂り続けていると、この部分のコントロールが乱れ、満腹感をなかなか感じなくなってしまいます。これもあぶらを大量に摂ってしまう原因のひとつです。

 脂肪味が鈍感になる
 ↓
 気持ち良くなるために過剰にあぶらを摂るようになる
 ↓
 満腹中枢のコントロールが乱れて満腹感を感じなくなる
 ↓
 気持ち良くなるためさらに過剰にあぶらを摂る

完全なる負のスパイラルです。これは薬物中毒のそれとまったく同じです。こうして人は脂質中毒に陥り、抜け出せなくなっていくのです。

最近、炭水化物を減らす糖質制限ダイエットが大流行していますが、糖質が肥満の原因だと思い込むのは危険です。飽和脂肪酸を摂りすぎて食欲調整機能が乱れ、それが肥満につながっているケースが、かなり存在すると考えられるのです。

現代社会の便利さが脂質中毒をつくり出す

脂質中毒になる「生理的」なおもな理由をまとめると、次のようになります。

①人間には「あぶらをおいしい」と感じる本能がある
②あぶらを感じる味覚は備わっているが微細で鈍感になりやすい
③満足感を味わいたいのであぶらを必要以上に摂りすぎてしまう
④満腹中枢が損なわれるので、さらなる暴飲暴食につながりやすい

本能に従っていると、現代人は脂質中毒になってしまうリスクが高いのです。

「人間は獣ではないのだから、本能も抑制することができるはずだ」

こう考える人もいるでしょう。しかし、現代の日本は、脂質中毒が生まれやすい社会構造をしています。極端ないい方をすると「社会が脂質中毒をつくり出している」面があるのです。

次ページ脂質中毒が生まれやすい「社会的」な理由
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