新築マンションが高騰する中でも高値の物件が集まるエリアはどこか。首都圏、関西圏、中部圏で3年前と比較して価格が高騰している駅を一挙公開する。
新築マンションは価格高騰の局面が続いている。不動産経済研究所が2022年11月に公表した10月の首都圏新築分譲マンションの平均価格は6787万円と、2022年1月から10カ月連続で6000万円を超えた。パークホームズ新小岩三丁目(東京・葛飾区、1期1次20戸)など即日完売物件も2件あった。
高値圏での推移に、消費者の間では「新築マンション価格は、さすがにピークで今後下落するのではないか」と見る向きもある。だが、「マンションの価格が急落することは、当面ない」と見る業界関係者は多い。
マンションの市場動向に詳しい東京カンテイの井出武上席主任研究員は、「金融機関は不動産(マンション)購入に対して積極的な貸し出し姿勢を変えていない。融資がつくのならば、歯車は回り続ける(好環境が続く)」と語る。
みずほフィナンシャルグループの不動産専門のシンクタンク、都市未来総合研究所の湯目健一郎執行役員も、「ローン金利については、先高感があるものの、短期間で急激に上がらなければ(マンション需要への)影響は限定的だ」と見る。
2008年のリーマンショック時は住宅ローン問題が引き金になったこともあり、金融機関が世界的に混乱し、融資が滞った経緯がある。今回は過熱感があるものの、金融危機が起きているわけではないので、パワーカップル(夫婦ともに高収入のカップル)を中心とする消費者の需要は当面冷え込まないというわけだ。
高値マンションが集まるエリアはここだ
マンション価格の高値局面が当面続くとの見方が多い中で、すべてのエリアで高価格物件が求められているわけではない。
「消費者の趣向は二極化してきている。都心部のマンションは相当高くなっている。資産性を重んじて、駅から近い物件を高価格でも求める層がいる。一方で、都心から離れているが、周辺環境のよい郊外の物件を価格とのバランスで求める層もいる」(東京建物の神保健取締役)。
では、高値物件が集まるエリアはどこか。それを探るために、東京カンテイのデータを基に「駅別」の価格帯推移を一覧にしたのが3ページ目以降の表だ。「現在価格帯」は2019年11月~2022年10月の3年間の平均値で、分譲戸数が10戸未満の駅や専有面積30㎡未満の駅、事務所・店舗用途のものは除いている。
まず「首都圏」を見てみよう。ここでは現在価格帯が1億円以上の駅のみを抽出した。
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