大手ゼネコンの長谷工はリノベーション施工での事業拡大を狙う。新築マンションで実績を上げてきた長谷工でも、リノベならではの難しさに直面しそうだ。
在宅時間が長くなり住宅の住み替え需要が高まる中、リノベーション施工での事業拡大を狙うのがマンション一筋の大手ゼネコン、長谷工コーポレーションだ。
リノベーションは、中古マンションの住宅設備や間取りなどを改修することで、現在のライフスタイルに合った付加価値を提供する。築古のマンションでも新築並みの居住性が担保できるため、中古マンションの取り扱いを強化するデベロッパーなども開拓を進めている領域だ。
長谷工のグループ会社である長谷工リフォームの星野竜緒取締役兼常務執行役員は「まだ実績は数件程度だが、いずれは1棟単位でのリノベーション施工を1つの事業柱に育てたい」と語る。
築古物件のリノベーション需要が高まる
リノベーション施工の需要は高まっている。ある業界幹部は「私募ファンドやREITなどから寄せられるリノベーションの施工案件が増えている。とくに2000年ごろから運用を始めているJ-REITが抱える一部の賃貸マンションでは老朽化が進んでおり、リノベーションが必要だ」と指摘する。
2020年ごろから、日本での不動産投資を拡大している海外ファンドから寄せられるリノベーション案件も増えているようだ。不動産利回りと金利の差であるイールドギャップを求めて、日本での不動産投資を増やす海外ファンドは多い。ある業界幹部は「新たに日本に進出したいアジア系の海外ファンドから投資案件がないか、という問い合わせが増えている」と話す。
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