「修繕工事の代金が高すぎるように思うのだが、これが適正価格なのかどうかわからない」。大規模修繕工事の代金をめぐって、こういった悩みを持ったことのあるマンション管理組合の関係者は少なくないだろう。このような修繕工事の知識に乏しいマンション住民でも、ネットで簡単に修繕工事の見積もりが比較できるサービスが登場した。
2022年1月に設立したスタートアップの「スマート修繕」(東京都渋谷区)は、マンションの大規模修繕工事を計画する管理組合と修繕工事会社をマッチングするサービスを6月に開始した。
管理組合から「修繕コストを削減したい」といった要望をヒアリングし、そのうえで複数の工事会社を選定して一括で提案する。修繕実績や財務状況などに優れた全国50社の中から、最大8社を紹介し、そのうち3社の見積もりを取れるようにする。
スマート修繕に所属、あるいは契約する設計コンサルタントなどの担当コーディネーターが工事会社探し(紹介、見積もりの取得、比較選定)から契約、工事中の品質チェックまで一貫してサポートする。
「複数の工事会社からそれぞれ、工事内容、見積もりの提案を受ける。競争原理を活用した低コスト化や、顧客の要望に応じた工事を実現することが可能になる」と、スマート修繕の豊田賢治郎社長は話す。
異業種のDeNA内で起業した
ネットで修繕工事の見積もりを支援するサービスは、ほかにもある。だが、それらはマンション業界団体など業界関係の会社が手がけているケースが多い。一方、スマート修繕は、業界のしがらみがない異業種からの参入になる。
スマート修繕はモバイルゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)から、事実上スピンアウトした会社だ。そもそもはDeNAの起業プログラムのような形で事業構想が練られ、DeNA系のベンチャーキャピタルから1.5億円の出資を受けている。
サービス開始直後から、全国のマンション関係者の間にサービス内容が口コミで伝わり、問い合わせが増えていった。「リリース以降、対応できないぐらいの問い合わせが来ている。40階建てのタワーマンションや600戸超の大型団地といったマンションの見積もりも進行している」(豊田社長)。契約が成立した際に、工事会社からマーケティング費用という形で収益を得るビジネスモデルとなっている。
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