新築戸建ての販売価格が上昇している中、中古住宅に注目する消費者が急増している。新築を上回る強気の価格設定をするメーカーもある。
資材高や土地価格の高騰の影響で、新築戸建ての販売価格が上昇している。新築の一戸建ては今や、「夢のマイホーム」になりつつある。そのため、中古住宅に注目する消費者が、ここに来て急増している。
「新築を検討していたお客さんが、中古物件に目を向けるようになった」。こう話すのは、大和ハウス工業で住宅や店舗などの既存物件再生を手がけるリブネス事業推進部の平井聡治部長だ。平井部長によると、品質次第で新築、中古にはこだわらない顧客が増えているという。
実際、国土交通省の住生活総合調査でも、2003年の時点では「新築にこだわる」割合が69.3%だったのに対して、2018年の調査では44%に縮小。逆に、中古住宅を求める割合が同6.2%から、21.8%に増加した。
脱炭素を意識して高付加価値化
こういった需要の変化をビジネスチャンスとして巧みに捉えるハウスメーカーもある。ある大手ハウスメーカー幹部は、「新築戸建ての受注は土砂降りの状況。それでも買い取り再販が、戸建て事業を下支えしている」と話す。
既存物件を買い取り、改装して再販売する買い取り再販。例えば、新築市場では5000万円するような家を3000万円で買い取り、大規模リノベーションをかけて4000万円で販売するイメージだ。
大手ハウスメーカーの大和ハウスが買い取り再販で打ち出すのは、いわば高付加価値路線だ。「5000万円の新築住宅でもなく、3000万円の中古住宅でもない。われわれが目指すのは4000万円のリノベ(再生)住宅という新たなマーケットを生み出していくことだ」と、平井部長は強調する。
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