ーー2022年以降に発表された渋谷の開発案件は、ヒューリックや東京建物など、非東急のデベロッパーが再開発事業者に選ばれています。東急グループは負け続きですが、想定通りに渋谷エリアを開発できますか?
他のデベロッパーの渋谷参入はウェルカム。国内の大手デベロッパーがそろい踏みする再開発エリアは、渋谷以外にないのではないか。それだけ渋谷が魅力的ということだ。これは負け惜しみではない。それぞれが競い合うことで渋谷エリア全体の集客力が高まる。
2020年に三井不動産が渋谷区の公園を再開発した「ミヤシタパーク」は、渋谷の雑多さを表現していて「うまく作ったな」と感じた。渋谷の人の流れも変わった。ただ、おかげでキャットストリートを通じて原宿への人流ができ、渋谷から東急プラザ表参道原宿への回遊性が高まっている。
他社の侵食に焦らなくていい
「やられた」と思うことがあっていいと思っている。渋谷という街は広くて、多種多様な文化を持った施設がある。いろいろなデベロッパーが開発して雑多さが生まれることで、本当の渋谷の再開発になるのではないか。
焦る必要などない。「ネクスト渋⾕桜丘地区」の開発が控え、渋谷駅の南口側はほとんど「東急色」になる。渋谷の中心部を押さえているのは絶対的に強い。勝ち負けというレベルにはなく、われわれが渋谷の再開発から外されるということは絶対にない。
ーー渋谷の魅力を一言で言うと?
渋谷には働く・住む・楽しむという3つの機能がすべてそろっている。24時間多様な集客装置が動いていて、いろいろな文化を持った施設ができあがっている。まさに渋谷が持つ雑多さによるものだろう。
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