恐るべき重さ!本で床は抜けるのか 愛と悲しみの蔵書物語
“木造二階建てアパートの2階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて本で埋まってしまった。”
この一文から本書(『本で床は抜けるのか』西牟田 靖・著)は始まる。移した蔵書の数は「少なくとも1000冊以上、2000冊以下」とのこと。ちなみに築年数は50年で、下見の段階で押し入れの床からはメリメリと板が裂ける音が。引っ越し終了後、自宅へ帰るバンの中で「もっと慎重に物件を選べばよかった」と後悔する著者。まあ思うところはいろいろあるが、とりあえず読み進めていくとする。
相次いで寄せられる、床抜け話
ひょっとすると床が抜けるのではないか。一抹の不安に襲われた著者はSNSに「現場」の写真を載せ、広く意見を求める。結論は出なかったが、この問題に興味を持った著者はさらに、「床抜け」経験者やその話を聞いた人はいないか情報を募った。すると、「2階の部屋の床は抜きました」「父の兄の嫁さんがぶち抜きました」などなど書き込みが相次ぐ。
著者はノンフィクションライターである。自分の部屋の顛末と他人の蔵書問題を取材した様子を書いていくということで、たちまち連載が開始された。不定期ながら足かけ2年以上に渡るその内容をまとめたのが本書だ。
実際に床が抜けたらどうなるのか。本書にはいろいろなケースが出てくるが、中でも悲惨なものは本当に笑えない。
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