数々のヒット生んだ元セガ・名越稔洋の「自分軸」 「ゲームは売れなきゃ絶対的に意味がない」

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新スタジオでは、ワールドワイドに通用する日本発のゲームづくりに挑戦。人間ドラマを深く描く作品を作っていきたいと考えている。

「私はもともと映画の学科を出ていることもあって、日本のスタジオからしか生み出せない、より多くの共感を生む人間ドラマを描きたいと思っているんです。それこそ『龍が如く』シリーズを手がけたスタッフもここにはいますしね」

出し惜しみしたくない。「時間の壁」との闘い

(写真:エンジニアtype編集部)

シリーズ累計出荷本数400万本を突破したパーティー用アクションゲーム『スーパーモンキーボール』シリーズや、ドライブゲーム『デイトナUSA』『F-ZERO』など、アーケードゲームからコンシューマーゲームまで数々のヒット作を手がけてきた名越さん。

世の中に熱狂を生むものづくり哲学について聞くと、「自分が大事にしているのは、楽しまれるゲームを作ること」いうシンプルな答えが返ってきた。

「楽しまれるゲームを作るというのは、名越スタジオの存在意義でもあると考えています。このスタジオで最も大事にしたいのは、優れたゲームタイトルやキャラクターなどのIPをつくること。これまでどおり、収益性とのバランスは大切にしますが、クリエーターのやりたいことやこだわりをかたちにできているか、クオリティーへのこだわりをとくに重視しています」

また、すべての作品で「出し惜しみしない」ことも名越さんのポリシーだ。

「ユーザーの熱狂を生み出したいなら、1つひとつの作品で持てる力を出し惜しみせず、すべてやり切ることが重要だと思います。これはできそうで、意外と難しいことなんですけどね。

『このネタは次の作品にとっておこう』とか、『ここはカットして開発費を抑えよう』とか、どうしてもそろばん勘定が入ってしまいます。

もちろん収益は考えるけど、私はそういうことはしない。『今回はこんなもんでいいでしょ』と思った瞬間に終わりです。

クリエーターがサービス精神旺盛にめいっぱい力を出し切るからこそ、『次のシリーズもまた買いたい』と思ってもらえる。だから、もっともっと、もっともっと出し切っていかなきゃいけないんだろうなと思います」

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