格ゲー「鉄拳」世界最強の男が明かす強さの秘密 なぜパキスタン人はゲームが超絶うまいのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
日本の格闘ゲーム『鉄拳』で“世界最強”の称号を手にしたパキスタン人とは何者か? (写真:グローバルセンス株式会社提供)
2019年2月に行われた格闘ゲームの世界大会「EVO JAPAN」。『鉄拳』部門で優勝したのは、強豪国のアメリカでも韓国でも日本でもない、パキスタンの選手だった。一体なぜ無名のパキスタン人の若者が優勝できたのか? そして彼が優勝後の取材で語った「パキスタンにはまだまだ強い選手がいる」という言葉の真意とは? プロゲーマーのすいのこ氏による新書『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか』から一部抜粋・再構成してお届けする。

2019年2月、格闘ゲーム界に激震が走った――。

福岡県で開催された格闘ゲームの世界大会「EVO JAPAN」で、無名のパキスタン人選手が彗星のごとく現れ、『鉄拳』部門で優勝するという「番狂わせ」が起きた。それまで、『鉄拳』の強豪国といえば、アメリカ、韓国、そして日本といわれていたがゆえに、パキスタンからの刺客の存在に、格闘ゲーム業界は騒然とした。

それだけではない。優勝後、彼はメディアの取材に対してこう言い放った。

「パキスタンにはまだまだ強い選手がいる」

優勝した彼の名前は、アルスラン・アッシュ(Arslan Ash)。当時23歳の彼が世界一に輝いたことを皮切りに、人口2億人を超えるパキスタンの若者の間で格闘ゲームへの熱が高まっている。

なぜパキスタン人はゲームがうまいのか?

なぜパキスタン人はそれほどまでに強いのか――その疑問をぶつけてみたいと思い、日本側のエージェントを介して彼にコンタクトを取った。ビデオ通話アプリ「Zoom」でのインタビューが始まったのは日本時間午後8時。パキスタンは午後4時だ。

パソコンの画面に現れた、黒いTシャツ姿のアッシュは、われわれの姿を確認すると右手を軽く振り、白い歯を見せてにっこり笑った。

「ハロー!」

彫りの深い顔立ちで、力強い大きな目をしている。

パキスタンのプロゲーマーのアルスラン・アッシュさん(写真:筆者撮影)

背景は真っ白い壁で、パキスタン東部ラホールにあるアパートの一室からだという。そこは距離にして東京から真西に約6000km、飛行機だと直行便はないため、他国を経由してほぼ丸1日かかる。

アッシュはプレイヤー仲間4人とルームシェアをしており、毎日6〜7時間練習をしている。パキスタン国内には2020年6月時点でプロゲーマーが9人おり、その全員が『鉄拳』のプレイヤーだという。アッシュはパキスタンなまりの英語で語った。

次ページ14歳で「パキスタン最強」になったアッシュ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事