「キャリアの目標は不要」プロが断言する超深い訳 仕事人生で「逆効果」のことも…あなたはOK?

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では、「主体的で柔軟に」キャリアを築くためには、どうすればいいのでしょうか。具体的には、次の2つが理想です。

【①】「想像していなかったジョブチェンジの機会」に巡り合う
【②】①を生かして「想像していなかった充実したキャリア」が実現する

①②に共通するのは、どちらも「想定外」であることです。

「変化が激しく、先の読めない時代」には「想定外のキャリア」がつきものであり、①②のような出来事を通して、多くのビジネスパーソンは成長していくことができるでしょう。

①②の確率を上げるためには、チャンスをうまく生かす柔軟性はもとより、以下のように、チャンスをつかむための日々の「独学」や「布石行動」が重要になります。

・いかなる状況下においても、学び続ける(独学)
・自分がやりたいこと、学んでいることについて周囲にアピールしたり、社内外における外向きのコミュニケーションをとる(布石行動)

「どんな変化にも対応できる柔軟性」を磨くのは「独学」だ

大切なのは、目標に縛られてガチガチになるのではなく、「どんな変化にも対応できる柔軟性」を磨くことです。

そのためには、自分が「やりたいこと」「好きなこと」にまつわる「独学」を続け、日常の仕事を自分らしく広げていくことが大切です。

学びもせずに「それをやりたい」と言っても、周囲からは「たんにわがまま」と思われるだけです。主体的に学んで問題意識を持ち、「やりたいこと」というより「やるべきこと」として発信すれば、チャンスをつかめるでしょう。

自分らしく、「主体的で柔軟」なキャリアを築くためにも、まずは「独学」を始めて自らを成長させると同時に、「どんな変化にも対応できる柔軟性」を磨いてほしいと思います。

高橋 俊介 慶應義塾大学 SFC研究所上席所員、キャリア論の第一人者

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たかはし しゅんすけ / Shunsuke Takahashi

1954年東京都生まれ。東京大学工学部航空工学科を卒業後、日本国有鉄道に入社。プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニ-東京事務所に入社。1993年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国ワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現ウイリス・タワーズワトソン)の代表取締役社長に就任。社長退任後は、個人事務所ピープルファクターコンサルティングを通じ、コンサルティング活動や講演活動、人材育成支援等を行う。2022年4月より慶應義塾大学 SFC研究所上席所員。キャリア形成、人材マネジメント、リーダーシップ、働き方改革などに確かな知見を有し、本質を見抜く目に定評がある。

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