まず大切なのは、自分自身が本当に「高くて遠い目標に向かって努力したいのか」を問うてみることです。
たとえば、創業経営者やトップアスリートの中には「人生に目標を持て」と語る方々もおられます。
しかし、彼ら彼女らは往々にして「達成動機」という内的動機が、人一倍強い人なのです。そういう人たちにとっては、高い目標に向かって努力すること自体が「自分らしい」のです。
彼ら彼女らと同じような「強い達成動機」があれば、動機づけとしての目標も有効です。しかし、その目標を「社会の変化」や「自身の状況」に応じて変えていく「
ましてや「達成動機」がそこまで強くない人は、まねすべきではありません。そういう人たちにとっては「中長期のキャリアや人生の目標」はむしろ妨げになることも少なくないのです。
「高い目標」より「日常の仕事を自分らしく」が大切
以前ある雑誌で行ったインターネットによる「キャリアと人生の満足度調査」では、いちばん満足度が高いグループは「主体的で柔軟な人たち」、いちばん満足度が低かったのは「受け身で固定的な人たち」でした。
つまり、「絶対にこうしなければならない」と考える人よりも「自分がこうしたいからやる。時には臨機応変に切り替える」と考え動ける人のほうが、仕事と人生の満足度が高くなるのです。
「中長期的なキャリア目標」にこだわると、状況が変化しても「ほかの選択肢」をなかなか考えられず、ガチガチに「受け身で固定的」≒「こうしなければならない」「これ以外はダメだ」となりがちです。
つまり、ほとんどのビジネスパーソンにとっては「遠くて高い目標」よりも、「日常の仕事を自分らしく主体的に膨らませていく」こと、そのための「主体的な学び」の連鎖が、キャリアの満足度を高めるのです。
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