「キャリアの目標は不要」プロが断言する超深い訳 仕事人生で「逆効果」のことも…あなたはOK?

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「キャリア」「目標」について考え方や正解が大きく変化してきています(写真:yoshan/PIXTA)
いまビジネスの世界で、「リスキリング」(学び直し)が注目を集めている。
リスキリングの本質は「変化する社会で、今後必要なスキルや技術を学ぶ」ことで、そこでは「独学力」が決定的に重要になる──。
30年以上にわたり、人事や人材マネジメントの研究を続けてきた高橋俊介氏が、このたび「社会人の学び方」を1冊で完全解説した新刊『キャリアをつくる独学力──プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント』を上梓した。同書は、発売後たちまち大増刷するなど、話題を呼んでいる。
世界有数の人事コンサルティング会社の日本法人代表を務め、日本に「キャリアショック」という概念を広めた「キャリア論の第一人者」でもある高橋氏が、「仕事人生において『キャリアの目標は不要』とプロが断言する超深い訳」について解説する。

「これまでの正解」を信じ込むのはハイリスク

みなさんは、ご自身のキャリアについて、どんな展望を持っていますか?

『キャリアをつくる独学力──プロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

じつは、「キャリアとはこういうものだ」という先入観や思い込みから、「残念な方向」へとキャリアを築こうとしている人も少なくありません。

というのも、21世紀に入り、世界のキャリア研究でも新しいエビデンスや理論が登場し、考え方が大きく変化しました。これまで「これが正解」とされていたキャリア論も、変わり始めています。

たとえば、今回取り上げる「目標」についても「正解」が大きく変わっています

これまで、多くのビジネス関連の記事や書籍では、「中長期的な目標やビジョンを持って、逆算することが重要」だとされてきました。

つまり、目指す将来像に向かってプランを立て、そのプランをアクションに落とし込み、「何をすべきかを選択する」という考え方です。

しかし、日々目まぐるしく変化する「先の読めない現代社会」において、「中長期的なキャリア目標」から逆算してキャリアをデザインするのは困難になっています。

次ページからは、いまの時代に「中長期的なキャリア目標」を持つことの危うさ、そして「中長期的な目標」を立てなくとも「充実したキャリア」を実現する方法について、解説していきます。

次ページ目標やビジョンが「邪魔する」ことも……
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