こんなに親日!タイの「若者消費」最前線 盛り上がるアジアの若者市場(タイ編その1)

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女性喫煙率の増加、男性化粧品を使う若者も

 ある国が先進国であるかどうかのバロメーターに、「喫煙の制限」があります。要は先進国であるほど、公共スペースでの喫煙が禁止される。タイもご多分に漏れず、特にバンコク市内では店内で吸えない店が増えつつあります。

ただ一方、これも先進国の特徴ですが、高学歴化した女性は喫煙率が高まる傾向にあります。バンコク在住の20代の男性によると、彼の肌感覚では、周囲の男性の7割は吸っていて、女性は4割ぐらいだとのこと。別の調査だと、まだまだ発展途上のミャンマーでは女性喫煙率が非常に少なかったので、さもありなんという感じです。喫煙規制が厳しくなる一方で、女性のスモーカーは増えているのです。

多数の性用化粧品を愛用するタイの22歳男性

調査では、男性化粧品を利用するタイ人男性にも出会いました。バンコクのワンルームアパートにひとりで暮らしている22歳の男性の家の冷蔵庫にあったのは、ニベアの美白クリーム、ロート製薬の肌研(ハダラボ)、ヒアルロン液など。

スキンケアに心を砕く日本の若者男性に近いものを感じますが、タイは歴史的にトランスジェンダーな人が多い国なので、日本製の男性化粧品がニーズにうまくはまったという考え方もできそうです。なお、この彼はギャツビーのヘアワックスも使っていました。

男性の自宅にあった化粧品の数々

女性の美容に関して言うと、これも日本に近いですが、韓国コスメが売れています。調査対象の女性のひとりも、周囲の韓国コスメ浸透率の高さを語っていました。情報源としてのファッション誌は男性向け・女性向けともにかなり読まれていて、タイ語に訳された日本の雑誌も多い。若者があまり雑誌を読んでいないミャンマーとは、ここでも差が現れていました。

次回の記事では、輪をかけて日本ライクなソーシャルメディア事情や、数年前の中国を彷彿とさせる若者のイケイケな仕事観などについてお伝えします。

(構成:稲田豊史)

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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小祝 誉士夫 TNC代表取締役/プロデューサー

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こいわい よしお / Yoshio Koiwai

TNC代表取締役/プロデューサー。70カ国、200地域に長期滞在する500人の日本人女性がリサーチャーとして現地のライフスタイルやトレンドを詳細リポートするサービス「ライフスタイル・リサーチャー」を運営する。

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