「実は、これまで乗りもの酔いのメカニズムはよくわかっていませんでした。研究した結果、頭部の急な動きが平衡感覚を失わせ、それがクルマ酔いにつながるとわかったため、モーターの出力の適切な制御、減速のしかた、クルマの揺れなどを最適化しました」
6代目セレナ開発担当の技術者は上記のように語ってくれた。加減速をスムーズに行えるように調整するとともに、ヨー、ピッチ、ロールといった車体の動きもなめらかになるよう、セッティングに心を砕いたそうだ。
さらに、クルマ酔いを防止するために、車体の揺れの伝達を抑えるという新設計のシートを採用。視界の確保も重要と、2列目に座った子どものために、前のヘッドレストレイント(ヘッドレスト)を脚つきのタイプにして、間から前方の景色がのぞけるようにしている。小さいかもしれないけれど、意外に重要なデザインかもしれない。
シート地は「価格帯からしても」(日産の開発者)レザーは使用していない。これは昨今のクルマに多くなってきたアニマルフリー(動物由来の素材を使わない)の観点からしても評価したい。
滑りにくい、汚れにくいシート表皮
日産のインテリア担当者がシート表皮として選んだのは、滑りにくい、汚れにくいといった機能的な素材。かといって、手触りはしっとりしていて、安っぽさは感じられない。
バッテリー充電用の3気筒エンジンは、時速100キロを超えたときも、比較的音が高まらない。エクストレイルなどに搭載されている「VCターボ」ほどの“快音”ではないにせよ、静粛性のために「作動音を抑制」したと説明されたのにも、納得できた。
速度が上がっても、ウインドウまわりやルーフを風がたたく音は期待以上に低く抑えられていると、試乗のときは感じられた。ただし床下から小石がはねる音は(ほかが静かになったぶん?)意外に大きく響くのだった。発売前に改善されるかもしれない。
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