5代目セレナではe-POWER車には設定されていないが、6代目にあたる新型セレナではこのマルチセンターシートが用意されるのだ。最前列の席の中央あたりにバッテリーが搭載されているため、それに邪魔されて、従来はマルチセンターシートを動かせなかったが、形状変更で可能になった。
ただし、新設定の「e-POWER LUXION」にはつかない。この最上級グレードの場合、2列目はキャプテンシート2基が用意される。
個人的に感心したのは、2列目シート座面のクッションだ。さっと乗り降りできるのが重要なので、サイドサポートといってももを支える部分は一般的なSUVやセダンほどしっかりとしていない。それだと乗り降りしづらいからだ。
セレナのシートは、一方で、いちど座ると、座面は乗員の体をうまくホールドしてくれる。プロトタイプではこの席にも座って“試乗”してみたところ、JPNタクシーのように、カーブを曲がるたびにお尻が滑り、“おっとっと”と姿勢が崩れることはなかった。
2列目シートにはさらにもう1つ、大きな機能がある。フルフラットにしたときの快適性だ。キャンプなどの場面において車内で休むとき、体の下には不愉快な凹凸が少ない。「相当研究しました」と日産の担当者が胸を張っていたのも、むべなるかなだ。
3列目シートの使い勝手も向上
3列目シートには、前後スライド機構がそなわる。おかげで、175センチの大人も座れるスペースが確保されている。また、荷室を広く使いたいときに、片手で3列目シートを跳ね上げてスペースをつくることも可能。なにかと使い勝手がよくなっているのだ。
エンジン、ブレーキや足まわりといった、走りに関する部分でも、乗員の快適性が考えられている。
たとえば、乗りもの酔い防止。「家族との大切な時間を思い切り楽し」(日産のプレスリリース)んでもらうために重要なテーマだったという。
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