「6代目セレナ」工夫を尽くした内装にも映る進化 シンプルな造型、3列シートは圧倒的に使いやすく

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5代目セレナではe-POWER車には設定されていないが、6代目にあたる新型セレナではこのマルチセンターシートが用意されるのだ。最前列の席の中央あたりにバッテリーが搭載されているため、それに邪魔されて、従来はマルチセンターシートを動かせなかったが、形状変更で可能になった。

ただし、新設定の「e-POWER LUXION」にはつかない。この最上級グレードの場合、2列目はキャプテンシート2基が用意される。

日産自動車 6代目セレナ 内装
もっとも装備が豊富なLUXIONにはヘッドアップディスプレイ(写真には写っていないが)標準装備(写真:日産自動車)

個人的に感心したのは、2列目シート座面のクッションだ。さっと乗り降りできるのが重要なので、サイドサポートといってももを支える部分は一般的なSUVやセダンほどしっかりとしていない。それだと乗り降りしづらいからだ。

セレナのシートは、一方で、いちど座ると、座面は乗員の体をうまくホールドしてくれる。プロトタイプではこの席にも座って“試乗”してみたところ、JPNタクシーのように、カーブを曲がるたびにお尻が滑り、“おっとっと”と姿勢が崩れることはなかった。

日産自動車 6代目セレナ 内装
写真で見るよりしっとりした感触が印象的な合成樹脂の表皮をもつシートは、ソフトな座り心地だがホールド性はよい(写真:日産自動車)

2列目シートにはさらにもう1つ、大きな機能がある。フルフラットにしたときの快適性だ。キャンプなどの場面において車内で休むとき、体の下には不愉快な凹凸が少ない。「相当研究しました」と日産の担当者が胸を張っていたのも、むべなるかなだ。

日産自動車 6代目セレナ 内装
フルフラット化したときの“寝心地”が大きく向上(写真は唯一の7人乗りL UXION)(写真:日産自動車)
日産自動車 6代目セレナ 内装
フルフラット化の要望はけっこう多かったといい、寝心地を研究したそうだ

3列目シートの使い勝手も向上

3列目シートには、前後スライド機構がそなわる。おかげで、175センチの大人も座れるスペースが確保されている。また、荷室を広く使いたいときに、片手で3列目シートを跳ね上げてスペースをつくることも可能。なにかと使い勝手がよくなっているのだ。

日産自動車 6代目セレナ 内装
3列目シートにも前後スライド機構がつき、空間的な余裕がある(写真:日産自動車)

エンジン、ブレーキや足まわりといった、走りに関する部分でも、乗員の快適性が考えられている。

たとえば、乗りもの酔い防止。「家族との大切な時間を思い切り楽し」(日産のプレスリリース)んでもらうために重要なテーマだったという。

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