ひとつの「システム」に依存しながらお金を得ていると、エラーが起きた時に、大きく負ける。でも「生態系」に頼りながらお金を得ていれば、そこには幾重にも重なった複雑なレイヤーが存在しているのだから、ちょっとやそっとのエラーが発生したところで、大きく負けることはない。もちろん、「生態系」で太く稼ぐことは難しいかもしれないが、その分、負ける時は細い感じでしか負けないのである。
「生態系」を形成することをやめなければ、お金なんて怖くないのだ。そんな示唆を、「無用の石を売る」という行為は、私に与えてくれた。まだ、確信を持つことはできないが。
少なくとも、「経済システム」を作ることより、「生態系」づくりのほうが、ずっと私の性には合っている。
お金をめぐる冒険は続く
空になった盆の上に、石から化けた千円札たちを置いてみる。
石が、お金になった。海岸でただ拾ってきただけの石が、自分が「良き」と思って拾っただけの石が、お金に。
もしかして、お金の正体って、石なのか? いや、そんなことはないわけだが、それにしても、ますますお金の正体が不明のものとなる。
だいたい、いまこの目の前にある千円札たちも、その実体はただの紙である。これを私は「お金」だと思い込んでいるからこそ、この紙たちはお金として存在できているのである。うーん、なんなんだ、いったい何者なんだ、お金。
私にはまだまだ、お金の正体がわからない。わからないのであれば、冒険を続けるしかない。
こうなった以上、石を売る以外のアプローチを考えなくてはならない。石よりも、もっとしょうもないものを見つけ、それをお金に換えることで、今度こそお金の正体の尻尾を、つかんでみようではないか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら