ふるさと納税4位の町が贅を凝らす返礼品の中身 寄附金額はスタート時から6000倍超に膨張
ふるさと納税ファンの間では認知度が高い白糠町だが、一般の知名度は低い。その場所は、釧路市に隣接し、たんちょう釧路空港からクルマで約20分のところにある。
町の決算は一般会計(令和3年度)でみると、歳入約247億円、歳出約246億円で、自主財源は約166億円(67.2%)もあり、そのうち、ふるさと納税などの寄附金が約125億円となっている。歳入のほぼ半分が寄附金といった構図だ。
農業、漁業、林業の1次産業およびその加工業が盛んな「食と食材のまち」で、しそ焼酎「鍛高譚」生誕の地でもある。秋鮭、ししゃも、タコ、ツブなど水産物の水揚げも多く、最近は鮭の鮮度を保つ「船上放血神経締め」や、毛がにの鮮度、食感などを保持・再現する「CAS冷凍」といった新技術で水産物の付加価値を高めている。
年間を通じて日照時間が長く、夏も冷涼な気候をいかした農業、酪農に従事する人も多い。畜産は牛だけでなく、国内流通のうち国産はわずか0.6%と圧倒的に少ない羊肉を供給する羊牧場も2カ所ある。
ふるさと納税がスタートした2008年の寄附金額は、わずか194万円だった(返礼品はなかった)。2015年にワンストップ特例制度の創設など改正が行われ、返礼品を伴うふるさと納税制度を開始すると、寄附受入額が前年から約80倍の1.6億円になった。
その後、町を挙げての取り組みで実績は右肩上がり。2019年67億円、2020年97億円、そして2021年は約125億円となり、2年連続で全国4位、北海道3位となった。受入額はスタート当時の6000倍以上に膨れ上がったのである。
ちなみに2021年のトップ5は次の通り。
①北海道紋別市 152億9700万円
②宮崎県都城市 146億1600万円
③北海道根室市 146億0500万円
④北海道白糠町 125億2200万円
⑤大阪府泉佐野市 113億4700万円
町村では全国トップである。
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