自動運転レベル4解禁、巡回バス実証実験の現状 道交法改正で公道でも自動運転が可能になった

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資料
実証実験の概要を説明した資料(筆者撮影)

一般からの参加者を募って行われた今回の実証実験は、自宅から病院への移動を想定し、湘南アイパークの敷地内のコースを実際に自動運転バスに乗ってもらい、その乗り味などを体験してもらうといった内容だ。また、車内では、心電図・血圧・酸素飽和度・体温などのバイタルデータ計測も実施。結果はオンラインで病院のスタッフへ送られ、病院で診察を行う事前チェックとして活用することを想定した実証実験も行われた。

なお、2021年12月に行われた同様の実証実験では、自動運転バスの体験試乗が主だったが、今回は、より多様なコンテンツが盛り込まれた。例えば、全国からヘルスケアMaaSに関する有識者を招いて行った講演「学術シンポジウム」、村岡・深沢地区の住民とヘルスケアMaaSを軸とした未来の地域のあり方をディスカッションする「市民フォーラム」などだ。ほかにも足の不自由な高齢者や障がい者などが病院内での近距離移動に活用できる、自動運転車いすの試乗会なども実施。ヘルスケアMaaSに関し、より多角的で幅広い内容となっていることが特徴だ。

レベル4に対応した自動運転バス・エヴォの概要

オペレーター
エヴォには運転席がなく、オペレーターが同乗する(筆者撮影)

今回の実証実験で使われた自動運転バスのエヴォは、国内では電子部品関連の専門商社「マクニカ」が取り扱っているマイクロバスだ。車体サイズは全長4.78m×全幅2.10m×全高2.67mで、乗車定員は最大15名(座席11人、立席4人)。自動運転を前提としているため、一般的な車両にあるハンドルやアクセル・ブレーキといったペダル類に加え、前述のとおり、運転席さえもない。なお、今回の実証実験では、緊急時に車両を停止させるなどの危険回避操作を行うオペレーターの同乗スペースを確保するため、座席を10席に変更。一般の試乗体験者8名、オペレーター1名、バイタルデータ計測の説明員1名の計10名乗車を想定している。

電動モーターをパワートレインとするエヴォは、100%電気で走るバスタイプのEV(電気自動車)だ。最高速度25km/h(推奨18km/h)、1回の充電での航続時間約9時間、航続距離は約100kmとなっている。

LiDAR
前後バンパーに取り付けられたLiDAR(筆者撮影)

また、自動運転を実現するため、センサー類や機器を数多く搭載する。例えば、赤外線を照射し、物体に反射した赤外線を受光することで、障害物検出を行う「LiDAR(ライダー)」。ルーフ部に前後2カ所、前後バンパーに3カ所ずつの計6カ所、車体側部に左右1カ所ずつの計2カ所、合計10カ所に搭載されている。

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