トヨタ「スマホ連携ナビ」拡大展開が招いた不評

昨秋に導入するも、わずか半年で軌道修正へ

トヨタ自動車は昨年9月発売の新型カローラ、2020年2月発売の新型ヤリスにスマートフォンと連携する「ディスプレイオーディオ」を標準搭載した。写真は2019年11月に発売したライズに搭載されている9インチディスプレイオーディオ(写真:トヨタ自動車)

トヨタ自動車の新たなカーナビゲーション戦略が揺れている。

昨秋からスマートフォンとの連携を前提とした「ディスプレイオーディオ(DA)」の標準搭載に舵を切ったが、消費者や販売店から戸惑いの声が続出。自動車そのものの販売にも悪影響を及ぼしかねないため、DAの標準搭載を取りやめ、車両購入者が搭載・非搭載を選べる選択制に移行することになった。

昨秋発売の新型カローラにDAを標準搭載

トヨタは2019年9月発売の新型「カローラ」から、新たなカーナビ戦略を打ち出した。その核となるのが、液晶ディスプレーのDAだ。普通のオーディオ一体型ナビのように見えるが、DA自体はタッチパネル式のディスプレーでしかなく、CDやDVDの挿入口もない。あくまでスマホと接続しての使用が前提となる。

具体的にはUSBケーブルなどでスマホをつなぎ、スマホのアプリをDA画面上に表示して操作する。トヨタのDAはスマート・デバイス・リンク(SDL)規格に対応しており、LINEカーナビやLINE MUSICなどのアプリの使用が可能。さらに追加料金(3.3万円)を支払えば対応規格が拡充され、iPhoneやAndroidスマホのマップ(ナビ)や音楽再生、電話、メッセージどのアプリもDA画面上で表示・操作できる

DA自体は今の時代、必ずしも珍しくない。実際、ホンダや日産自動車、マツダなど他の国内自動車メーカーを見ると、従来型のカーナビに加え、オプションの1つとしてDAをすでに商品化済みだ。一方、トヨタはこれまでDAの用意自体がなかった。

そのトヨタが一気にDAをナビ戦略の柱に据え、その第1弾として昨年秋発売の新型カローラで標準搭載した。他社のようなオプションのナビとしてではなく、最初からDAを車体に組み込んだのである。その後もマイナーチェンジした「アルファード・ヴェルファイア」や「C-HR」「カムリ」、さらには2020年2月10日発売の新型「ヤリス」とDA標準搭載の車種を広げた。

次ページなぜ一気にDAを標準搭載したのか?
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 岐路に立つ日本の財政
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT