トヨタ「スマホ連携ナビ」拡大展開が招いた不評

昨秋に導入するも、わずか半年で軌道修正へ

これがDA標準装備の車種になると、オプションのナビを売るチャンス自体が減る。仮に消費者がナビキットを選んでくれても、儲けは限られる。ディスプレーとして使用するDAの代金は車両価格に組み込まれていて、ナビキットはあくまで機能の追加にすぎないからだ。ナビキットは2種類あり、高いものでも税込み11万円と、通常のディーラーオプションのナビより単価が安い。

「(DAの標準装備化は)最悪だ。メーカーが全部原価に組み込んで、販売会社の利益を吸い上げている。特に小さな販社にとっては、たまったもんじゃない」。あるトヨタ系販社の社長は強い口調で不満をこぼす。

まずは法人向けから見直し

顧客のみならず、身内の販売店からも不評を買ったDAの標準搭載。このままでは肝心の車両自体の販売にも支障が出かねないとトヨタは危惧し、早くも戦略の修正に向けて動き始めた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

複数の関係者によると、標準搭載を見直すことは確実だという。早ければ今年夏までに、新型カローラなどでDAなしのモデルも用意する。市販のナビが装着できるよう、配線等の構造も変更する。まずはレンタカーや営業車用にまとまった台数を導入する法人顧客からスタートさせるが、個人顧客についても早期にDA搭載を選択制への変更を用意しているようだ。

「100年に1度の変革期」と言われる自動車業界。DAの標準搭載を決断したトヨタだったが、結局は販売店や消費者を置き去りにしてしまった。変革期だからこそ、より販売現場の声に耳を傾けたうえでのクルマ作りが求められる。

自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 買わない生活
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
これが世界のビジネス常識<br>会社とジェンダー

「ジェンダーギャップ指数ランキング2021」で日本は120位という結果に。先進7カ国中で最下位かつ、女性の社会的地位が低いとされるアフリカ諸国よりも下です。根強く残る男女格差の解消は、日本経済が再び競争力を取り戻すために必須の条件です。

東洋経済education×ICT