トヨタ「スマホ連携ナビ」拡大展開が招いた不評

昨秋に導入するも、わずか半年で軌道修正へ

しかし、消費者からは戸惑いの声が相次いだ。当然と言えば当然で、すべての消費者がDAを使いこなせるとは限らない。あるカローラ販売店の店長によれば、「(DAについて)スマホ世代の若い人たちはすんなり受け入れてくれるが、中高年のお客さんの多くが困惑する」。

DA搭載のカローラ。USBで接続し、スマホのLINEカーナビが使える(記者撮影)

DAを敬遠する消費者には、トヨタが用意したスマホ接続なしでも使える従来型カーナビに変更するナビキット・オプションが用意されている(必要な追加料金は6万6000円~11万円)。顧客の選択肢は、標準搭載のDAを受け入れるか、追加料金を払って、このナビキット・オプションを選ぶかのどちらかだ。

「どちらもいらない」の選択肢自体がないので、消費者が気に入った市販カーナビを使いたいと思っても装着できない。ちなみに、トヨタのDAは一般的なカーナビとは規格が異なり、車両購入後にDAを取り外して市販のナビに付け替えるのも技術的に難しいという。

「標準装備だけは勘弁してくれ」「いい車だとは思うが、DAを使いこなせる自信がない」――。標準搭載の先陣を切った新型カローラの口コミサイトでは、車の性能などに関する話よりもDA関連の書き込みのほうが目立つ。中には「今までもスマホをナビ代わりに使ってきたので、DAの標準装備は歓迎」といった好意的な書き込みもあるが、数的には否定的なコメントのほうが圧倒的に多い。

販売店にもくすぶる不満

DAの標準搭載化は販売店(ディーラー)からも不評だ。標準搭載を嫌がる客を説得するのが大変なうえ、対象車種はオプションで儲けづらくなっているからだ。

販売店にとって、新車販売時に客の希望に応じて販売店が装着するディーラーオプションのナビは収益の大きな柱だ。安いもので10万円、高いものになると30万円近くするうえ、取り付けの工賃も得られる。

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