世界的な新型コロナウィルス感染拡大が、日本の自動車メーカーの経営を直撃している。SUBARU(スバル)は4月1日、大規模な国内生産調整の実施を発表した。
4月11日から5月1日の間、国内唯一の生産拠点である群馬県太田市の群馬製作所の操業を停止する。非正規雇用含め従業員の雇用は維持し、給与も100%保証するという。
世界各地で新型コロナの猛威が広がる中、日系乗用車メーカーも欧州や北米、東南アジアなど海外工場の操業を相次ぎ休止。さらに、輸出車需要の落ち込みや海外生産部品の調達問題などから、国内工場でも操業一時休止の発表が相次いでいる。
最も大規模な国内生産調整
スバルの生産は、日本とアメリカ(インディアナ州)の2拠点体制。すでにアメリカの完成車工場は、州の外出禁止令を受けて3月23日から操業が止まっている(操業再開予定は4月20日)。今回、日本でも生産活動停止を余儀なくされたことで、同社は一時的に全工場が止まることになる。
群馬製作所は昨年度、世界生産の6割に相当する61.7万台を生産し、その8割を海外に輸出した。文字通りの基幹生産拠点だが、異例の操業休止に踏み切る。もともとの休業日を除いた稼働日ベースの操業停止は17日間。トヨタの最長9日、マツダの13日と比較しても長く、現時点では日系乗用車メーカーで最も大規模な国内生産調整になる。
背景にあるのは、アメリカの新車需要の急速な冷え込みだ。スバルは昨年度に66万台をアメリカで販売。これは同社の世界販売実績(100万台)の実に7割近くに及び、現地での生産(37.2万台)だけではなく、日本からもほぼ同じ台数を輸出して旺盛な需要に対応した。
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