自動運転レベル4解禁、巡回バス実証実験の現状 道交法改正で公道でも自動運転が可能になった

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試乗風景
実証実験での試乗風景(筆者撮影)

では、実際に乗ってみた感じはどうだろう。筆者は、2021年に行われた同様の実証実験でアルマに試乗し、今回はエヴォに乗ってみた。ちなみに今回の実証実験では、エヴォの車両協力をマクニカ、車内で患者のバイタルデータを計測するICT機器などの協力をNTTデータやオムロン ヘルスケアが行っている。

走行中の速度は10km/h前後で、比較的ゆっくりと走ったことは前回と同様。それでも、エヴォのほうが若干ながら、走行中の車体挙動が安定していた気がする。

とくに今回の試乗では、前回、乗車前に行ったバイタルデータの計測を乗車後に実施した。座席に座り、発進した後に心電図や血圧、体温などを測ったのだが、そうした動作も問題なく行えたほど、走行がスムーズだった。また、減速や停止のとき、体が前のめりになるなどがなかったのはアルマも同じだが、ほんの少しだけエヴォは挙動がゆるやかだった気もする。ただし、こうした印象は、あくまで個人の感想で、乗る人によって感じ方は多少異なるだろう。ちなみに2021年の実証実験では、約600名がアルマに体験試乗。「意外に怖くなかった」など、肯定的な感想が多かったというから、アルマも高い安定性を有していることは確かだといえる。

診断風景
タブレット端末による診断風景(筆者撮影)

なお、今回走行中に行ったバイタルデータの計測結果は、走行中にオンラインで病院へ送られ、医療スタッフのチェック後、車内にあるタブレットの画面から患者へ健康状態についての診断が伝えられるといった想定で実施された。乗車前に行い、結果を乗車中に聞いた前回の実証実験と比べ、移動中に行う患者の作業がよりスムーズで、スピーディーになったことも好印象だった。

レベル4の公道走行解禁と対応車両の可能性

今回の試乗会では、マクニカが車両を集中管理センターなどから遠隔操作するための管理画面なども公開された。これは、先述した改正道路交通法で、レベル4の自動運転車を公道で巡回サービスなどに運用するための要件には、「‪遠隔監視装置を設置し、遠隔監視を行う者(特定自動運行主任者)を配置‬」することが義務化されたことを受けたものだろう。

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