それでもマツダが「自動運転レベル0」と表する訳 2022年発売「異常時対応システム」の超技術
再び、マツダ三次自動車試験場(広島県三次市)にやってきた。前回、訪れたのは2019年「ロードスター30周年ミーティング」のとき。「いってらっしゃ~い」と、2281台の「ロードスター」を、次の節目である40周年に向けてこの地で見送った。
あれから2年。今回も、実にマツダらしいクルマたちと触れ合うことができた。そして、「マツダのこれからの勝負処は、この『理念(コンセプト)』をマツダが貫き通し続けることができるかどうかにある」と感じた。
今回、三次を訪れた目的は、マツダの技術試作車に乗るためだ。
用意されたのは、艶消しブラック外装の「MAZDA3」。ボディサイドには「MAZDA CO-PILOT CONCEPT (コ・パイロット コンセプト)」とアンバー色の文字が入る。
一般的に「コンセプト」とは、モーターショーに出展されるような、量産する前のデザインスタディや技術開発車を指す。実際、CO-PILOT CONCEPTは技術面で、日産「プロパイロット2.0」、スバル「アイサイトX」、
マツダはこうした技術領域に対して、独自の「コンセプト(理念)」を持っており、CO-PILOT CONCEPTには、「先行技術開発車と理念」という2つの意味が込められていると、筆者は見る。
マツダらしい「人」中心の運転支援
そもそもCO-PILOTとは、飛行機の副操縦士を表す言葉だ。マツダは「CO-PILOTがいつもそばで見守ってくれる、ドライバーが頼れる理解者(パートナー)であり、ドライバーから走る歓びを奪わない安心・安全を目指す」と解説する。
こうした表現に対して、なんとなく抽象的だという印象を持つ人も少なくないだろう。実際、これまでマツダが自動車関連の学会やシンポジウムでCO-PILOT CONCEPTの概要を紹介すると、視聴者からは「志には賛同するが、具体的に何がどう同業他社と違うのが少しわかりにくい」という声が聞こえていた。
筆者自身にもそうした思いがあったが、今回の実車体験によってCO-PILOT CONCEPTへの理解が深まり、これまで抱いていたモヤモヤ感が一気に解消できた。
なぜならば、CO-PILOT CONCEPTが国の規定する「ドライバー異常時対応システム」の最新バージョンであると同時に、実にマツダらしい「人」中心の運転支援であることがわかったからだ。
では、CO-PILOT CONCEPTの試乗体験を詳しく紹介していこう。
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