自動運転レベル4解禁、巡回バス実証実験の現状 道交法改正で公道でも自動運転が可能になった

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ンサーやカメラ
ルーフ上部に取り付けられたセンサーやカメラなどの機器(筆者撮影)

ほかにもGPSからの信号を取得し、車両位置の特定に使用する「GNSS(全球測位衛星システム)」をルーフの前後2カ所に装備。車体の挙動をセンシングする「IMU(Inertial Measurement Unit/慣性計測装置)」、自車周囲の安全確認などに使うカメラなども搭載している。加えて、あらかじめ作成した高精度地図に走行ルートやエリアごとの制限速度などを入力し、現在のLiDAR情報とマッチングして自車位置を特定する「SLAM(スラム)」なども採用する。

なお、前回の実証実験に使われたアルマは、車体サイズが全長4.75m×全幅2.11m×全高2.65mだから、2モデルの大きさはほぼ同じ。乗車定員やEVである点、走行できる航続距離なども同等だ。また、万が一のときのために、車両から離れた集中管理センターでの監視または介入が必要な場合には、遠隔制御ができる点も同じだ。

自動運転レベルの違い

画面
自動運転中の情報が映し出された画面(筆者撮影)

ただし、対応する自動運転のレベルが違う。前述のとおり、アルマが対応するのは「条件付き自動運転」と呼ばれるレベル3まで。認められた一定の条件下で自動運転が可能というもので、自動運転中に運転手は、手放し運転やスマホを見たりすることは可能だ。ただし、車両故障など緊急時にはシステムがドライバーへ運転の引き継ぎを要請し、運転手はただちに運転を手動に切り替える(自分で運転する)必要がある。

対して、エヴォは、「高度自動運転」といわれるレベル4に対応するため、特定の場所に限りシステムがすべての運転を行うことが可能だ。緊急時の対応も認められた場所内であればクルマのシステムが行う。車両の販売などを手がけるマクニカによれば、エヴォは、「自動運転を制御するソフトウェアが、アルマのものより高度にアップデートされている」という。より細かい制御を行えることで、運転手がいなくても安全な走行ができる、レベル4の自動運転を可能としているのだ。

ほかにもエヴォでは、同乗するオペレーターが、非常時に車両を緊急停止するなどの操作を行うユニットが標準装備されているが、アルマにはない。実際の運用に関する装備が、より充実しているのもエヴォのほうだ。

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