大塚久美子氏、株主総会を前に必死の訴え 「私の提案の方が評価されている」
――大株主の米投資ファンド、ブランデス・インベストメント・パートナーズは株式を大量売却する一方、会社提案を支持することを正式に表明した。
私どもを支持してくれることはありがたい。ブランデスは特殊な状況での株式売却だったので、意図を感じられないようにステートメントを公表したと思う。株価が高騰していたので、純粋に顧客利益を考えたうえでの売却だろう。通常、売却というと、その会社のよくない評価と結びつけられる。だからステートメントでこの会社を評価しているということを公表したということだろう。今回売却したが、また買うことだってあり得る。その戦略について私どもが言うことはない。
――年間80円の大幅増配は、ブランデスから支持を得るための条件だったのか。
それはまったくない。配当の水準はあくまでも、自己資本の金額を一定に保つためである。今後3年間であげられる利益が十分でないので、増配して株主に還元するということだ。増配要求があったかどうかは、過去の履歴も確認しないとわからないが、少なくとも私の記憶では直近ではないと思う。
――ほかの株主には何を訴えているのか。
先日発表した中期経営計画の内容や、ガバナンス面での課題を解決するための方策を説明している。
質問を遮り、強い口調で封じた勝久氏
――勝久氏が2014年7月の社長復帰後、広告宣伝費を多額にかけたこと、また取締役会での暴言があったことを、久美子氏は特に問題視しているが、具体的にはどういうことなのか。
勝久社長になってから、広告宣伝費がかなり多額に積み増されている。このことが取締役会で十分に議論されたかどうかは不安を感じる状況にあった。当然ながら私が社長をしていたとき、年間支出の予定があったが、そこで考えていた金額からは数億円の乖離がある。積み増した広告宣伝費が本当に効果があったのか。結果は2014年12月期に4年ぶりに営業赤字に転落したということだ。
取締役会での暴言については、どう表現していいか難しい。もともと勝久氏は、経営者でずっと来た人なので、人から質問される、または反対意見に慣れていない。だから質問に答えること自体がストレスになる。そのため、質問に答えない、答える代わりに別のことを話すという状況になっていた。さらに質問を遮ったり、強い口調で質問者を封じることも、頻繁に起きていた。当然のごとく議論は深まらなかった。
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