上司が乗っていい「部下の相談」は2種類しかない 方法を間違えると、部下の成長を止めてしまう

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「識学」でいう「よいリーダー」とは、段階ごとにやるべきことをクリアし、チームの成果を最大化させるリーダーです。第一段階としては、「役割を果たす」ことです。自分らしさに固執したりせず、リーダーとして果たすべき役割が何かを理解し、実践していきます。

第二段階としては、「日々のズレをなくす」ことです。リーダーとしての正しい言動を習慣化させることで、チームの体質を根本から変えます。第一段階、第二段階を経た結果、「チームの成果を最大化」させることがリーダーの最終的な目的です。やるべきことをやり続けた先に、必ず「トータルパフォーマンスを上げる」という結果がついてくるのです。

モチベーション自体を頑張る理由にさせない

リーダー向けの本で、よく部下のモチベーションを上げようとする内容を目にします。しかし、実は部下のモチベーションを気にしすぎる必要はありません。

部下のモチベーションは、会社や上司がお膳立てするのではなく、部下自身が意識することで生まれるもの。ましてや成果の出ないときの言い訳に、「モチベーションが上がらなくて」などといえる状況は避けなければならないのです。

リーダーの役目は、部下がモチベーションを自然と持つように仕向けること。人間がやる気になるのは、成長を実感したときです。成長実感を得られると、「こんな自分になろう」「成長した自分にふさわしいものを手に入れたい」とさらに出世欲や物欲、向上心が生まれます。部下が「モチベーション」を「頑張る理由」にすることなく、「頑張る動機」にするよう働きかけましょう。

プレーヤーを兼ねたリーダーの場合、自分の業績が悪いと気後れして、部下への指導をきっちりできないことがあります。リーダーとは、チーム全体の責任者。このことを忘れず、どんな場合もマネジメントを第一に業務に当たりましょう。上長から「リーダーがトップの業績を上げろ」といわれたとしても、最優先すべきはチームのマネジメントだと、ブレない気持ちを持つことが大切です。

ひいきをするリーダーだと部下に思われるのは命取り。部下には公平に接し、わが社は平等な組織だと部下たちに認識させることも重要です。それには部下と緊張感のある関係を保つことが最適。それがチームの成長にもつながります。また、成果をすぐに出そうと焦る必要もありません。平常心のマネジメントを続け、途中で挫折せず、部下の成長を待てるのがよいリーダーなのです。

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