上司が乗っていい「部下の相談」は2種類しかない 方法を間違えると、部下の成長を止めてしまう

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部下が抱える問題について、上司は相談に乗ります。ただし、すべての相談に乗る必要はありません。相談の方法を間違えると、部下の成長を止めてしまいます。とくに要注意なのは、部下の「できない言い訳」を聞く上司になってはいけないということです。言い訳を聞く上司は、部下が成長しないことを認めることにつながります。

聞いていい部下からの相談は、以下の2種類です。1点目は、部下が任された予算以上の施策を実施したいというもの。2点目は、「上司を出せ」と言われるクレームです。反対に、部下の権限で決められることは相談に乗ってはいけません。相談に乗ると、部下は上司からいわれたままに仕事をするようになり、仕事に対する責任感をなくしてしまうのです。

上司は酒の力で部下との関係を縮めてはいけない

部下と一緒に飲みに行き、腹を割って話し合う「飲みニケーション」がかつては盛んに行われていました。こうした部下へのマネジメント方法は、コロナ禍で失われたと考えていいでしょう。業務に関する指導ならば、業務中に行うべきです。そもそも、上司と部下の関係が近いことはよいこととはいえません。「ちょっと冷たい」と思われるくらいの距離感でよいのです。

上司と部下の距離が近いと、部下から情報を収集しやすいというメリットは存在します。ですが、デメリットも多いのです。まず、上司と部下の関係の根幹が崩れます。また、部下は「自分が上司に必要とされている」と勘違いします。さらに、よく飲みに行く一部の人が優遇されるので、ほかのメンバーが意欲を失い、組織内での競争原理が働きにくくなります。

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