リモートワークで、時に深夜帯に働くことを選ぶ人は、何も割増賃金が欲しくて、そうしているわけではありません。「いつ働くか」という働き方の多様性――みないっせいに出社し、定時勤務することが通常だったころには認識されにくかった多様性が、すでに現れている。となれば当然、その変化に応じた法整備も必要な時期にきているのではないかと思うのです。
もっとも集中できる時間に片づける
現在僕は、東京と軽井沢の二拠点生活をしていますが、早朝5時から8時くらいまでに、夜間にたまっていた仕事を片づけます。朝に強いということもありますが、早朝は、まだ世の中の多くのことが動いておらず、社員たちも始業していないため連絡などが入らない、というわけで1日のなかでもっとも集中できる時間帯なのです。
その後は、軽井沢だと「軽井沢野鳥の森」という国設の森林、東京だと代々木公園や明治神宮を1時間ほど散歩します。軽井沢にいるときは、ランチ後、家から5分のサウナに行ってリフレッシュすることもよくあります。起床が早いぶん就寝も早く、何もなければ22時にはもうベッドの中にいることがほとんどです。
フルリモートの導入により、こうして「いつ、いかに働くか」「いつ、いかにリフレッシュするか」などの自由度が高くなったことで、仕事のパフォーマンス向上を含めQOLが格段に上がりました。アンケート調査したわけではありませんが、おそらく社員たちも同様に実感しているのではないかと思います。
会社に出勤すると、それだけで「働いた気」になってしまうことも多いものでしょう。しかしリモートワークでは、仕事のアウトプットの質・量そのものにピントを合わせ、そこに向けて1日の時間の使い方を自由に管理していける。このあたりに、リンダ・グラットンが言う『リデザイン・ワーク 新しい働き方』――つまり、多様な人材がおのおのの環境で、無理なく高いパフォーマンスを発揮できるような組織づくりのカギがありそうです。
(構成:福島結実子)
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