職場での基本言語は「です・ます調」の丁寧語。必要以上に敬語を使ったり、へりくだりすぎる必要はありません。周りの人には平等に接することが、なにより大事です。
たとえば、職場に「インターンの大学生」と、「自分よりも年上の部下」がいるときは、2人に対して〝平等な言葉遣い〞をすることが求められます。
大学生には「これ、やっといて!」という命令形、年配者には「すみません、これをやっておいていただけますか?」という敬語。
もし、このような言葉の使い分けをしていたら、要注意です。どちらの人からも不満が出やすい環境を作り出してしまいます。
なんでもかんでもハラスメント?
2019年にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が成立。大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から施行されています。ハラスメントにならずに、コミュニケーションをどう活性化させればよいのかお悩みの方も多いことでしょう。
実際「あれを言ってはダメ」「これに触れてもダメ」と〝自主規制〞をするあまり「職場でなにも言えなくなった」というビジネスパーソンの声を、私は何千件も見聞きしてきました。しかし、ハラスメントを恐れるあまり、コミュニケーション不全に陥ってしまっては本末転倒。生産性まで低下しかねません。
たとえば、部下に服装や髪型の乱れを注意したいとき。「そんなことを注意したら、セクハラと言われてしまうかも……」とためらう方が多いようですが、見た目にまつわる指導も上司の役目の一環です。「伝え方」に気を遣えば、即ハラスメントになるというわけではありません。
「社会人らしい」「常識的」などの言葉は、人によって定義が非常にあいまいです。また、業界や職種によっても基準は変わるため、これでは不親切な注意になってしまいます。さらに言うと「Aさんみたいな服装にしてください」とほかの人を引き合いに出すのは言語道断! 比較はトラブルのもとになるということを肝に銘じておきましょう。誰かをお手本として挙げるのではなく、その会社で定められているルールを言語化して伝えましょう。
服装の指導も上司の大切な役目です。それぞれの「職場のルール」を具体的に、はっきりと提示しましょう。たとえば髪色。「明るくなりすぎないように」では、個人の感覚に頼るしかなく混乱します。一目で誰もがわかるようにすることが大切です。「これより明るい髪色は禁止」と毛束の見本を用意している企業などもあり、明確にすることがトラブルを防ぐコツです。
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