焼肉ライク、社長が炎上後にとった「最大の悪手」 原価めぐって本音ツイート、幕引きを図るも…
このような反応を受けて、翌日には「昨日のツイートがプチ炎上していて反省」「手段に溺れて、大事な理念目的を忘れないようにしたい」などと自戒の念もつぶやいたが、件の投稿から約1日半後に、有村氏はツイッターの終了を表明した。
炎上直後にツイッターをやめるのは「悪手」だ
筆者は外食の専門家ではないので、ここで原価について持論を述べるのは控える。だが、数々のネット事件を見てきた身としては、炎上直後のタイミングでツイッターをやめる選択をしたのは、正直なところ、かなりの悪手だと思えてしまった。
なぜなら、結論が出ていないのにもかかわらず、一方的に終了宣言してしまうと、ユーザーには「逃げた」ように見えてしまい、かえって悪印象を与えてしまうからだ。また、ここまでツイートが拡散されてしまえば、今回の騒動を機に、有村氏のことを知ったネットユーザーも少なくないだろう。ツイッターで失った名声は、ツイッターで取り戻すしかない。経営者による投稿であれば、なおさらだ。
この一件を見ていて、ふと思い出したのが、2019年に起きた、出版社・幻冬舎の見城徹社長をめぐるケースだ。同社発行の書籍を批判したために、自著出版を拒否されたとツイートした作家に対し、ツイッター上で議論を展開。その過程で見城氏が、作家の過去作について「初版5000部、実売1000部も行きませんでした」と投稿し、さらに火に油を注いだ。
本来は非公表であるはずの「実売部数」を、著者に無断で公表したことが、業界のタブーに触れたと、有名作家をはじめ、出版界隈を中心として、非難の声が上がったのだ。結果として、見城氏はツイートを削除したうえで、ツイッターそのものを終了し、謝罪した。このケースも「大炎上」した投稿から、わずか数日後での幕引きだった。
ツイッター史をたどると、ステーキを中心に外食チェーンを展開していた「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」(通称「ステーキけん」。現在は事業譲渡済み)の井戸実氏も思い出す。2010年代前半、郊外の居抜きをメインに出店攻勢を掛けていた井戸氏。その勢いを原動力に、客からのクレームに対して、「たった1000円ちょっとの食事で30分もクレーム電話をし続ける奴の気が知れない。働け!」など強気の口調で批判投稿を繰り返し、一時はネットニュースの「常連」となっていた。
ちなみにその後、大手チェーンがステーキに続々参入し、経営を手放すことに。先日ちょうど「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)で、再起を図る様子が紹介されていた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら