東大生直伝「国語が苦手でも成績上がる」1つの方法 「接続詞」の役割を知ると、筆者の主張がわかる

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さてこの問題、「わからない」という人や間違える人が多いと思います。それもそのはずで、この問題は東大生でも間違える人が多く、こういう問題を理解するための「論理的思考力をトレーニングする授業」が東大で授業として開講されているくらいです。

では、この問題の答えを説明します。

「前の話と逆のことを言っているから『②しかし』かな?」

「違う話をしているから『③そして』かな?」

と思う人もいるかもしれませんが、正解は「①ただし」になります。

「ただし」と「しかし」の違い

そもそも、「ただし」「しかし」「そして」の違いはなんなのでしょうか。まず、「ただし」も「しかし」も、前の文と次の文が逆のときに使う接続詞です。「否定するときに使う接続詞だよね」という理解をしている人もいるでしょう。しかし、それだけでは不十分なのです。

「ただし」と「しかし」は、話の本筋を理解するための接続詞です。「A」ただし「B」と書いてあったとき、本当に言いたいのは「A」「B」どちらだかわかりますか。正解は「A」です。

「Aさんはかっこいい。ただし、Aさんは身長が小さい」

こう言ったとき、Aさんがかっこいいという話がしたいわけです。身長の小ささという例外的な部分はあるけれど、基本的には大枠として「Aさんはかっこいい」ということが伝えたいのです。

逆に「A」しかし「B」と書いてあるとき、本当に言いたいことは「B」になります。

「Aさんはかっこいい。しかし、Aさんは性格が悪い」

と言ったら、言いたいことは、Aさんは性格が悪いということです。「外見はかっこいいけれど、中身はダメだよね」という話がしたいわけです。

もっと言えば「Aさんはかっこいい。しかし、Aさんは身長が小さい」となっている場合、Aさんは身長が小さいが言いたいことなのです。かっこいいという話がしたいわけではなく、そうではないことが言いたいのです。先ほどの「ただし」の場合とは逆になるわけです。

この2つの違いがわかっていなければ、話の本筋を理解できないのです。ちょっとした接続詞の違いですが、言いたいことは真逆になるわけです。

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