「物理って役に立つの?」と子どもに聞かれたら 身近なものの仕組みはすべて物理でできている

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エアコンを理解するうえでもうひとつ大事な法則があります。「熱は温かい方から冷たい方へと流れる」ということです。これを熱力学第二法則と言います。第三法則はエントロピーと言って大学で習うもので、高校物理では第二まで。

では、エアコンの話に戻しますが、冷房と暖房ってまったく同じ装置を使っていて、逆回しをしているだけということはご存じですか? ここで質問です。なぜ冷房をつけると部屋が涼しくなるのでしょうか?

もちろん、冷たい空気が出てくるからなのですが、でも実はエアコンがやっていることってそれだけではありません。冷房の基本原理とは、室内の熱を奪って、屋外に放り出すことなんです。熱は常に温かい方から冷たい方に流れるという「第二法則」を使っているんです。

室外機の横を歩くと暖かい空気がムワッときますよね。あれはエアコンが熱を屋外に捨てているからなんです。

エアコンが室内の空気を冷やす原理は意外と簡単

超簡単な設計図にすると、エアコンの中にはパイプがあって、その中を気体がグルグル循環しています。今のエアコンはフロンガスを使うことが多いです。

そして、たとえばフロンガスといったガスがエアコン本体、つまり室内を通過するときは、細くてクネクネした金属パイプを通ります。エアコンを掃除するときに見たことありませんか? あれは熱交換器と呼ぶのですが、なぜクネクネしているかというと部屋の空気とより多く触れ合うためです。冷房のときはこの熱交換器内を冷たいガスが流れるのですが、部屋の空気と多く触れる分だけ、熱を奪うチャンスが増えます。

よく海外のホテルなどで、くねくねしたパイプの暖房を見かけますが、あれもまったく同じ理由です。

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