圧倒的に数字に強い人がやっている「頭の体操」 日々の「小さな習慣」が大きな差につながる

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大事な決断を「なんとなく良さそう」で判断するのではなく、その判断に説得力を持たせるべく、常日頃から頭の体操をしてビジネス数学力を高めておきたいものです(写真:akiyoko/PIXTA)
ビジネスパーソンが効率的に仕事を進めるうえで、数学の知識が必要になるケースは私たちが想像する以上に多くあります。
その一方で、「数学的な思考ができずに損をしているビジネスパーソンがあまりにも多い」と語るのが、日本最大のビジネススクール、グロービスで前身も含めて25年以上教鞭を執ってきた嶋田毅氏です。
著書『ビジネスで使える数学の基本が1冊でざっくりわかる本』を上梓した嶋田氏が、数学力や数字力を高めるために効果があるトレーニング(頭の体操)についてご紹介します。

損益分岐点は、いくら売れば黒字になるかを求めるもので、事業運営を行ううえで非常に大事な数字です。

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ここで使う公式が、

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

です。ここで限界利益率とは、「100円追加で売った特に何円の利益が手元に追加で残るか」を示す数字です。

ある企業で、変動費(原材料費やアルバイトの人件費など)が60%あれば、限界利益率は40%となります。追加で100円売れば40円が追加の利益として残るということです。

これについては、頭の中だけで理解するのではなく、日常のシーンで「頭の体操」的に考えてみるとビジネス数学力が高まります。

損益分岐点への感度を高める頭の体操①

たとえば商店街のある小さなパン屋さんを考えてみましょう。スタッフは夫婦2人のみ。店は自宅を多少改装したもので、賃料などはなさそうです。

まず固定費を考えてみます。夫婦の取り分は800万円としましょう。パン焼き機などの減価償却費は予想が難しいですが、ここでは人件費以外の固定費は合計100万円程度とラフに置きます。そうすると、店の固定費は年間で約900万円、月にすると75万円となります。

店内の様子を観察したところ、客単価は600円程度と想定されます。問題は変動費率です。ここでは原材料費や消耗品などを合わせてラフに40%と置いてみましょう。つまり限界利益率は60%です。これで準備OKです。

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