実際、ツイッターで「かっぱ寿司 地下」と、関連ワード付きで検索してみると、
「かっぱの強制労働はもう解放してあげてください」
「みんな地下のかっぱを心配してて優しい世界だな」
「労働基準法違反で逮捕されたのかと思ったら違った」
などのツイートが数多く見られ、怪情報が与える影響の一端が垣間見られる。上述の投稿は、それらを真に受けた(ふりをした)ものだ(ちなみに亜種として、回転レーンの歯車を回している、というパターンもあり、今回の事件後もその手のツイートが確認できる)。
かつて、かっぱ寿司は、かっぱのキャラクター「カーくん」「パー子ちゃん」を前面に押し出して、店舗装飾やCMなどに起用していた。しかし2016年9月、ロゴマークの変更にともない、一時姿を消す。ネットメディアの「ロケットニュース24」は当時、お客様相談室に「都市伝説の件」を質問したところ、「そんなのあるんですか。知りませんね」との回答を得たと伝えている。
ただ、その後は「公認」となったようで、2018年2月にキャラクターデザインをリニューアルして復活した際には、公式ツイッターで「一部では、きゅうりと引き換えに地下で労働させられてるんじゃ…と噂されていましたが、元気な姿を特設サイトからご確認ください!」と、みずからネタにしていた。
企業・消費者間のコミュニケーション
このような声を「荒唐無稽」だと無視するのではなく、誠実に向き合うのもまた、企業・消費者間におけるコミュニケーションのひとつだ。かっぱ寿司にかぎらず、この種のコミュニケーションを大事にしている企業は少なくなく、中には都市伝説に言及する企業もある。
たとえば、マクドナルド。かつて「マクドナルドのハンバーガーには、牛肉ではなく、ミミズの肉が使われている」といった都市伝説があったが、マクドナルド公式サイトの「よくある質問」には、直球ズバリの「ミミズ肉が使われているって本当ですか?」との問いがある。答えは「そういう事実はまったくありません」。工場長が否定するYouTube動画まで埋め込まれているのだ。
かっぱ寿司しかり、マクドナルドしかり、都市伝説が飛びかう背景には、「ここまで安いからには、なにかしらの『ワケ』があるのだろう」といった、うがった見方があったと考えられる。
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