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キャリア・教育 #あの日のジョブズは

スティーブ・ジョブズにとって死は通過点だった アップル製品に漂う「大人っぽさ」と「人間の本性」

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毎年、オックスファムという国際NGOが世界中の格差に関する報告書を提出している。いろんな数字があげられているけれど、いずれにしても現行の世界で極端な富の偏在が生じていることは間違いない。しかも格差は年々拡大する傾向にある。そして貧しい人たちほど、概して大きな苦しみに直面している。だから苦しみを解除したいという欲求は、今後も地球規模で増大の一途をたどるはずだ。

富裕層でも、やはり苦しみは増大している。寿命が延びているからである。ここ半世紀ほどのあいだに、日本人の平均寿命は20年ほど延びた。寿命が延びれば、当然、日常生活に制限を受けたり、介護を必要としたり、寝たきりになったりする人も増える。がんなどの老化に伴う病気の心配もしなくてはならない。

ジョブズ的なアイテムへの依存度をさらに高めていく

世界中が、ジョブズ的なアイテムへの依存度をさらに高めていくことは間違いないだろう。モデルナのCEOなどは、次世代のスティーブ・ジョブズになりたくてしょうがないように見える。彼は自分の会社をアップルみたいにしたいのかもしれない。ヒット商品であるmRNAを、さしずめiPhoneみたいなものと考えているのだろう。

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可動的なミクロの端末には、ワクチンや治療薬など無数のアプリを搭載することができる。それを必要なところに送り届けて、映画を見たり、音楽を聴いたり、食べ物屋を検索したりするように、臓器の再生やがんをはじめとする多くの病気の治療に使ってもらう、というのが彼の思い描いているビジネスモデルだ。

こんなふうに見てくると、光の部分でも影の部分でも、ジョブズにとって死は通過点だったと思えてならない。そしてジョブズの死後、彼がもたらした光の部分も影の部分も、遥かに強度を増してきている。いまだにぼくたちは、ジョブズの光と影のなかを生きていると言っていいのではないだろうか。

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