
的確な質問、相談ができるかが、今後の治療がうまくいくか否かの岐路となるといっても過言ではありません(写真:Luce/PIXTA)
この病院でいいのか、この治療法でいいのか、受けている治療がうまくいっていない気がするが、誰に相談すればいいのか……。そんな不安が常につきまとうのががんという病気です。
たとえ同じ治療をしていても「効果が上がりやすい患者さんには多くの共通点がある」と、抗がん剤治療の名医である井岡達也氏は分析します。それは一体何でしょうか?
治療法の選択、主治医を味方にする話し方からお金の使い道など……。後悔のない治療をし、効果を最大限にするために患者側でできることを親身かつ具体的にアドバイスする同氏の新刊『がん治療 うまくいく人、いかない人』より、抜粋してお届けします(1回目)。
がんと診断されると、医師から告知を受けます。誰にとっても初めてのことで、気が動転します。家族も冷静ではいられないことでしょう。
患者や家族にとって、オーバーな言い方をすれば「死刑宣告」を受けたともいえるかもしれません。
医師からがんの告知、治療計画の話がある際に、どのくらい冷静に受け止められるか、的確な質問、相談ができるかが、今後の治療がうまくいくか否かの岐路となるといっても過言ではありません。ここでは医師としてどのように告知を行い、治療計画を話すかをご紹介し、押さえておくべきポイントを説明しましょう。
どのように告知されるのか
がんと診断された人は、どういう経緯で診断に至るのでしょうか?
腹痛や食欲不振などの症状が気になって、近くの病院を受診したら、もう少し大きな病院を紹介されて、がんと診断された人もいれば、症状はまったくないのに人間ドックや検診でひっかかって、精密検査を追加して受けたところ、がんと診断される人もいます。
どちらにしても町の開業医によってがんの診断や告知が行われることはほとんどなく、追加の精密検査を受けた大学病院や市中病院で確定診断されて告知されることになります。
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