「話がつまらない人」は"基本の型"がわかってない 1個100円のリンゴが1000円で激売れした理由

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「メッセージ」だけで伝えようとして「エピソード」がないと、「視点を変えろ」とか「前向きに考えろ」とか、どうしても「〇〇せよ」と上から目線になってしまいがちで説教や演説になっちゃうのです。でも、実は、そういう伝え方をしちゃう人がけっこう多いのです。

「もっと明るく考えた方がいいよ」

「視点変えなよ」

「そんなに暗く考えても何も変わらないよ」

などと言われても、全く心に響かないですよね?

メッセージだけで伝えない。そのメッセージを腑に落とすエピソードと合わせて伝える。

これが僕の著作全てにわたって共通する伝え方の基本の型です。

そして、面白いかどうかは、「エピソード」にかかっているんです。

なぜエピソードが大事なのか。エピソードは「印象に残る絵」になって頭の中に浮かぶからです。

リンゴの話のメッセージは「視点が変われば人生が変わる」になるんですが、どうです? このメッセージだけだと絵が浮かばないですよね? そこで「エピソード」(物語)のリンゴの話が必要になるのです。エピソードを通してメッセージを伝えると、相手の頭の中に印象的な絵が浮かぶから、説得するのではなく、納得してもらえるんです。

では印象に残る「エピソード」があればそれでいいのかということになりますが違います。「エピソード」と「メッセージ」はセットで伝えることが基本の型になります。

違うものを掛け合わせることで、面白く伝える

僕は、このことを「歌」にして伝えるという言い方をしています。

「エピソード」=「メロディ」とするなら、「メッセージ」=「歌詞」です。

このセットで初めて「歌」になるわけです。詩人の詩集を買って毎日読んでる人ってあんまりいないんです。歌詞のない曲、インストゥルメンタルを好んで聞く人も少ないです。

でも歌は、みんなめちゃめちゃ聞いてますよね。歌詞とメロディで、歌になることで、言葉に翼が生えたかのように広がりが生まれるのです。

また、話しながら、結局、何を伝えたいかわからなくなることってあると思うんですが、そういうケースは、頭の中が整理されてないんです。

伝えたいことがズバリ、一言になっていないのです。メッセージが自分でわかってないのです。

次ページ「その話を一言で要約すると?」その答えが「メッセージ」
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