もちろん、業務内容によって、求めているものはかなり違います。実際に、一部のオフィスワークはコロナ禍以前の状態に戻ってきています。テスラやグーグルなど、社員に出社するように命じている企業もあるくらいです。
リモートワークの環境もいいこと尽くめではありません。夏休みになり子どもがずっと家にいて、騒がしくて仕事に集中できないなど、状況によって問題を抱えることもあるでしょう。
なんでもオンラインがいいわけではない
オフラインはやっぱり重要だという面もあります。今年の新入社員研修では、久しぶりにオンラインから対面形式に切り替えて、僕が若い社員たちの目の前で話したのですが、なんと、拍手喝采になりました。
「同じ空間で、誰かがこんなに熱く話すのを聞いたのははじめてです。感激しました!」と。それで、月初の全社ミーティングも対面で開催して、熱く語りかけたところ、従業員みんなが感動してくれたんです。
気をよくした僕は、「そうか、やっぱり俺がやらなければ」と考え、翌月も同じことをしましたが、完全にコケました……。従業員の感想は、「お腹いっぱい」「3カ月に1回ぐらいでいい」など散々です(苦笑)。
刺激も頻度が大事なんですね。なにより従業員が考えていることを分析して、理解しながら回していくことが重要です。弊社では、僕たち経営者と社員の間をつなぐ役割をデザイン戦略室が担当してくれています。
われわれの会社では、「はたらくヒトと、未来を拓く。(Redesign Our Career)」をビジョンに掲げています。リデザインは、日本語で「再構築」「再設計」という意味になりますが、まさにこういったことこそが経営者の重要な仕事です。
デザイン戦略室は、製品のロゴやブランドなどのデザインだけでなく、オフィスをどう設計するかということや、ワークスタイルなど経営全体にも関わっています。とくに、働き方のデザインは、それそのものが採用戦略であり、コスト戦略であり、ブランディング戦略でもあります。
『リデザイン・ワーク 新しい働き方』の重要なところは、作業(オペレーション)とイノベーション、オンラインとオフライン、創造性を必要とする仕事はなにか、対面の大切さなど、きちんと区分けをしたうえで、経営スタイルを作っていくという点です。
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