当時は、みんなに1カ所に集まってもらい、管理者が目の前でマネジメントするという形こそ、効率がよかったわけです。チャイムを鳴らして全員に時間を知らせ、9~18時まで働いてもらう。刑務所や学校と同じですね。一般的なオフィスは、工場のように働かせたいためのものということです。
半年に一度しか集まらないのに
しかし、現在のテクノロジーにおいて、それが必要なのかというと、考えどころです。
パンデミックの2年を経て、いよいよアフターコロナだという雰囲気になり、僕は、生活拠点のマレーシアと日本とを往復する際の隔離期間が必要なくなりました。そうした情勢を踏まえて帰国したところ、第7波が直撃しました。
オフィスとは何なのかが問われていると感じたと同時に、本書を思い出しました。
オフィスは、文化醸成やカルチャーの一部として必要ですが、「工場」としてのオフィスに年間数千万円の家賃を払うのは、本当に正しいと言えるのか。もしかすると、「オフィスゼロ」の議論があってもいいのかもしれません。
街のいたるところにコワーキングスペースが増えた今、わざわざ全員が本社に集まらなくても、それぞれのチームが都合のいい近場で集まるということを考えてみてもいいでしょう。
例えば、よく外資系企業は、半年に一度程度、みんなでスキー場などに集まってミートアップをします。あれはけっこう有効で、大人でも盛り上がってエンゲージするんです。そのためのマニュアルもあります。
そう考えると、毎日オフィスに出勤するためのお金を、半年に一度、みんなで温泉旅行をするために使って、酒を飲んで夢を語り合うということをやってもいいのかもしれません。
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