企業が続々実践「健康経営」2つの大きなメリット テレワークが普及し生活習慣病のリスクも増加
コロナ禍で普及が進んだテレワークには、従業員の健康という観点から見るとデメリットがある。それは運動不足による生活習慣病リスクの増加だ。生活習慣病、ひいては脳卒中、心臓病、がんなどの深刻な病気につながる恐れがある。
また、メンタルヘルスの不調をきたす人も増えている。コミュニケーション不足によるストレスや、仕事とプライベートの切り替えがしにくいことでオーバーワークになってしまうことが原因だ。
そんな中、従業員の健康管理に戦略的に取り組む「健康経営」に力を入れる企業が増えている。その背景について解説したい。
始まりはアメリカから
健康経営の始まりは、アメリカの心理学者であるロバート・H・ローゼンによる『The Healthy Company』に基づくと言われている。当時のアメリカは従業員の医療費負担が高騰し、企業経営まで支障がでたことがきっかけで1990年代から健康経営が広まった。
日本では、2006年にNPO法人健康経営研究会が発足し、健康経営の考え方を定義。その後、2013年6月に閣議決定された安倍政権の「日本再興戦略」で、国民の健康寿命の延伸が政策の柱となり、健康経営が広まるきっかけとなった。
さらに、2016年度には、経済産業省が「健康経営優良法人認定制度」を設立。特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度として、毎年行われている。
制度が始まった2016年度の認定企業数は、大規模法人部門235法人、中小規模法人部門318法人であったが、2021年度には、大規模法人部門で2299法人、中小規模法人部門で1万2255法人が認定された。このように、現在、健康経営に注力する企業が増え続けている。
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