企業が続々実践「健康経営」2つの大きなメリット テレワークが普及し生活習慣病のリスクも増加
長らく日本の企業では、従業員の健康問題は「私事」とされてきた。もちろん、健康診断やストレスチェックは行われているが、法令で決められていること以上に、個人の健康問題に企業が踏み込むことはなかったと言っても過言ではないだろう。
ではなぜ、健康経営に取り組む企業が増えているのだろうか?
健康経営に取り組むメリットの1つは、労働生産性の向上が期待できる点だ。企業の労働生産性にはアブセンティーイズム(傷病による欠勤)やプレゼンティーイズム(出勤はしているものの健康上の問題によって完全な業務パフォーマンスが出せない状況)が影響する。
アメリカの調査結果では、企業の健康関連コストの中でプレゼンティーイズムは、アブセンティーイズムや医療費よりも多いと言われている。
プレゼンティーイズムの原因としては、花粉症などのアレルギー症、腰痛・頭痛、生活習慣病、うつ病などがあげられる。このような状態では仕事に集中できず、労働生産性も低下する傾向にある。これら健康課題を解消するために健康投資することで、従業員の労働生産性向上が期待できる。
また2つ目のメリットは、健康経営優良法人に認定されると、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的評価を受けることができる点だ。健全で働きやすい職場環境を整えることで、ワークエンゲージメントや従業員の定着にもつながる。
従業員の離職率も低い
実際、健康経営に取り組む企業は、従業員の離職率が低く、株価もTOPIXと比べて高い水準を保っていることがわかった。
つまり、健康経営に力を入れることが、従業員の生産性、ひいては企業価値を上げることにつながるというのである。
また健康経営を国際的に発信することで、日本企業のブランド力を高め、海外からの投資促進を狙うことも計画されている。
このようなメリットもあり、各企業がこぞって健康経営に注力している。
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