企業が続々実践「健康経営」2つの大きなメリット テレワークが普及し生活習慣病のリスクも増加
私がCMOを務めるリンクアンドコミュニケーション(東京都)でも、開発したAI健康アプリ「カロママ プラス」を使い、食事や運動、睡眠などの実績を記録すると、パーソナルAIコーチからリアルタイムでアドバイスが届く。
テレワークやオールフレックス、副業など、ニューノーマル時代の働き方は多岐にわたる。そのため、企業が単独で、従業員の健康管理を十分に行うことは難しい。
今後は、外部システムを活用、もしくはアウトソーシングをしながら、各企業が健康経営を進めていく流れがより一層強くなるだろう。
疾病リスクに備える「セルフケア」の時代へ
企業の健康経営が進むことによって、日本の健康事情はどう変わっていくのか。
健康経営が進むということは、個々人の健康意識が深まっていくということを意味する。それにより、「セルフケア」の時代がやってくるだろうと私は考えている。
「セルフケア」というと、ウォーキング、ジョギング、スポーツジムに通うなどの運動、または、糖質制限などのダイエットをイメージする人もいるかもしれない。しかし、私の考えるこれからの「セルフケア」は、運動やダイエットを指すものではない。
たとえば、糖尿病のリスクがある人がいるとする。自らのリスクを回避するために、血糖値を測定するパッチを付け、日常的に、自分で血糖値を把握するようにする。そうすれば、血糖値が高めの時は、自身で食事の量や質をコントロールして、血糖値の上昇を防ぐことができる。コントロールが難しくなった時のみ、医療機関を受診する。
具体的な病気のリスクを自らが把握し、テクノロジーを駆使して、生活習慣をコントロールする。それが私のイメージする「セルフケア」だ。
こんなことを書くと、夢物語のように感じる人も多いかもしれない。しかし、技術的にはまったく難しいものではなく、すでに実現可能だ。壁となっているのは、医師法などの法令なのだが、それも近い将来、緩和される方向で動いている。
「運動をして健康維持」「バランスのいい食事で健康維持」などと漠然とした健康を目指すのではなく、一人ひとりが自分の疾病リスクに応じて、より具体的で細やかなセルフケアができるようになれば、日本人の健康の質は飛躍的に高まるはずだ。
不調になってから治療を受けるのではなくて、健康支援サービスなどを活用し、自分で健康を維持する――それが、ビジネスパーソンの常識になる日もそう遠くはない。
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