子どもの自己肯定感を下げる大人の「5つの言葉」 「早くして」「またミスしたの」がなぜまずいのか

✎ 1〜 ✎ 196 ✎ 197 ✎ 198 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(5)早くして!

この言葉は意外と思うかもしれません。毎日のように子どもに言う言葉でドキッとする人もいるかもしれません。

時間感覚は生きてきた年数が異なる大人と子どもでは違うと言われています。ジャネーの法則では「年齢比の逆比」と言われており、例えば10歳の子と40歳の親では、年齢比は1:4なので、時間の長さの感覚は4:1になるということです。ですから、「たった10分なんだからやってしまいなさい」と親が発言する10分は、その子にとっては40分の感覚ということです。

また、一部の例外を除き、一定年齢までの子どもには未来という概念がありません。もし未来の概念があれば、不安感を抱き、準備を始めるということをするはずですが、子どもの多くは目の前の現実のみを見て判断する傾向にあります。

裏メッセージが心に深く埋め込まれる

ですから、早くさせたいのであれば、間に合うような仕組みを考えるほうがいいのですが、つい声かけだけで何とかしようと思い「早くしなさい」と言ってしまうわけです。

「早くしなさい」「早くして!」と言われ続けた子どもはどうなるでしょうか。一つはその言葉をアラームとして認識することになります。つまり親が言わないと動かないということです。

この連載の記事一覧はこちら

もう一つは、「早くして」という言葉から「あなたは遅い」というメッセージだと受け取ります。「遅い=ダメ人間」と自己肯定感を失わせることもあります。

以上の5つの言葉を紹介しました。こうした日常の何気ない言葉には、「裏メッセージ」があり、その裏メッセージが心にアンカーとして深く埋め込まれることがあるので、注意を要します。

ただし、これらの言葉は絶対に使用してはいけない言葉ではなく、1回、2回使う程度はまったく影響ありません。問題となるのは、継続的に使われた場合です。ぜひ日常の振り返りとしてこの5つを検証してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

講演、執筆相談はこちらから。

石田勝紀公式サイト

ブログ

Facebook

Voicy

Instagram 

X

 

 

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事