このような言葉を使われ続けると、自分は“誰でもできることができない人間“だと思ってしまう可能性があるため、避けたい言葉です。
子どもが学校の算数のテストで何度も計算問題でケアレスミスをしてきたとします。そのとき、子どもに何と言いますか?
「また計算ミスしているじゃない」
過去の保護者面談で、この言葉を使う人が予想以上に多いことが確認できました。では、この言葉を言われ続けた子どもはどう感じるでしょうか。
「何度も間違える自分はダメな人間だと思う」か「自分の評価を下げる勉強そのものから離れたい」のいずれかの気持ちを持つのではないでしょうか。
前者は自己肯定感を引き下げ、後者は自己肯定感を下げたくないため勉強そのものを放棄するという結果になります。
何回も言わないとわからないということは、教え方が適切ではないか、まだ十分に理解できる年齢になっていないことがほとんどです。ですから、何度言ってもわからないときは、「何度も教える」が回答になります。
しかし、この教えるという言葉が問題で、教えるのではなく、怒っているだけの人が少なくないのです。
正しい意図が伝わらない
例えば、親が「だからこういうときは〇〇するの!」と言ったとします。親は教えているつもりでしょうが、これは客観的に見ると「怒っている」と言います。これでは内容は子どもに伝わらず、親の感情だけが子どもに残ります。つまり、子ども側からすれば、親に怒られたことだけが印象に残り、改善ができず、何回も言われなければならない事態になるということです。
この現象は先生が生徒を怒っている場面でも見られます。子どもの頃、先生が授業中に怒る場面に遭遇したことがあると思いますが、そのときの内容を覚えていますか。おそらく覚えているのは、先生が怒っていたという感情面だけでしょう。
「何回言ったらわかるの!」という言葉が意味するところは、「何回も言わないとわからないあなたはまったくダメね!どうしようもないね!」であり、これで自己肯定感が下がらないほうが珍しいといえます。
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