ファンとの共創共鳴、BTSは「新しい芸術」の形か 「なんでそんなに大人が続々沼入り?」の謎

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

彼らが特によく紹介する「好きなもの」のひとつが彼らの愛読書です。本人たちの口から語られたタイトルを始め、動画や写真に写り込んでいたものなど、本に関する情報の蓄積は膨大で、それぞれのメンバーが読んだとされる本のリストをまとめている有志のファンもいるほどです。

本の影響が感じられる歌詞

メンバーの中でもRMはとくに読書家として知られています。休暇のための旅先にも本を持って行くなど、彼にとって読書は、ごく日常的な習慣なのでしょう。RMはBTSの歌詞を数多く手がけているメンバーでもありますが、そのメタファーを多用した文学的な言葉選びはもとより、本の一節をそのまま引用した歌詞もあるなど、彼の読書歴がBTSの世界観に与えている影響は非常に大きいものがあります。

先日、RMはインスタグラムのストーリーズに、哲学者ニーチェの言葉がプリントされたTシャツを着た姿をアップしました。

ONE MUST STILL HAVE CHAOS IN ONESELF TO BE ABLE TO GIVE BIRTH TO A DANCING STAR.
カオスを内に秘めた人こそ躍動する星を生み出すことができる

単なるファッションではなく、彼は当然ニーチェの思想に触れているでしょう。というのも、デビュー当時から、インタビューなどでニーチェの言葉を何度か引用しているからです。それにRMが書く歌詞は、どことなくニーチェとのつながりを感じさせるものが多いです。

ニーチェの「カオス」(Chaos)の用法は、一般的には世界の混沌を表す言葉として知られているのではないでしょうか。そういうどうしようもない現実を受け入れろというニュアンスで解釈されることが多く、過去にはRMもそういう文脈で使っていたと思います。

でも、実際のところニーチェはその言葉をもう少し力みの少ないニュアンスで、言ってみれば、人生の中での「自然な流れ」というようなニュートラルな言葉として使っています。

その流れにただ身を任せていると流されるだけなので、流れを自分なりに図式化(構造化)して、自分なりの「詩作」を続けること。それにより、人はようやく生きていける──。そんな話をニーチェはしているのです。

次ページコンサートで飛び出した、まさかの「本」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事