新章BTS、逆境でも揺るがないこれだけの理由 年下メンバー、華やかな笑顔の裏に秘めたもの

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
BTSのメンバー
年下メンバーたちの愛嬌に世界が魅了される(写真:Jon Kopaloff/GettyImages)
今年6月に配信されて話題になったBTSの動画「防弾会食」。デビュー9周年を迎えたタイミングでメンバーが一堂に会し、今後は「ソロ活動」に重点を置いていくことを発表した。
実質、9年間の活動の締めくくりとなったのが、今年3月に韓国ソウルで開催されたコンサート。このときのエンディングでメンバーのV(ヴィ)が「ARMY(BTSのファンの呼称)の皆さんに伝えたい言葉」として言及し、話題になった詩集があった。
過去にRMも読んだと言われている『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』である。
前回の記事では、「推しとファンの関係性」やBTSの人気の秘密について多くの発信をしている教育者の鳥羽和久氏に、改めてBTSの魅力や、彼らと文学の関係などについて話を聞いた。
ここからは、『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』の中から鳥羽氏に7人のメンバーそれぞれのイメージに合う詩を選んでもらい、それらを読み解きながら、メンバーたちの個性の奥深さに触れていく。
年上メンバーについての解説に引き続き、本稿では年下メンバーのJIMIN(ジミン)、V、JUNGKOOK(ジョングク)のキャラクターを想起させる詩をピックアップ。それぞれの詩の醍醐味を解説してもらった。

JIMIN――他者と共にまぶしい光を放つ

生命(いのち)は
生命は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不十分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分 
他者の総和
しかし 
互いに欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
 
うとましく思うことさえも許されている間柄
 
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?
 
花が咲いている
すぐ近くまで
虻(あぶ)の姿をした他者が
光をまとって飛んできている
 
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
 
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
─―吉野 弘
次ページ「永遠のチング」と一緒だからここまで来た
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT