BTSの「第1章」(編集部注:デビューから今年6月に発売されたアルバム『PROOF』までの9年間の活動をくくった呼称)が幕を下ろした今のタイミングでこの詩を読むと、BTSのメンバー同士の関係性が浮かびます。今までずっと一緒にいたけれど、ソロ活動を始めてそれぞれの間に距離ができ、だからこそまた1人ひとりのことを考えられるようになる。遠くにいることで、わかることはたくさんあると思います。目の前にいると、やっぱりお互いに甘えてしまいますからね。
この詩は同時に、人と人との間にはもともと距離があることをちゃんと認識したほうがいい、という詩でもあると思います。どんなに近くにいる人でも自分とは別の希望があり、別の軌道の上で人生が回っている。だから、「目の前にいるときには あえて遠くにいるように眺める」必要がある。それが、ほんとうに他人を信頼し、尊重するということなのだということを、この詩は教えてくれます。
詩で再発見した「メンバーの魅力」
詩集から「メンバー7人を想起させる詩をひとつずつ選んでほしい」という依頼をいただいたときは、そんなことができるかなぁと疑心暗鬼でしたが、実際にやってみると、7人がバラバラの個性でかつ魅力的だから、さらに、メンバーひとりひとりが人生の本質を生きている人たちだから、おのずと1人残らず彼らを詩の中に発見することができました。これはもちろん詩集の中のひとつひとつの詩に力があるからで、結果的に、詩の力を味わいながら、BTSの魅力を再発見するというおもしろい体験をさせてもらいました。ありがとうございました。
(構成:能井聡子)
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