JUNGKOOKがBTSのメンバーとしてデビューしたのは15歳のとき。一番年下で、当時は他のメンバーに比べると精神的に未熟な状態だったはずです。リーダーのRMにあこがれて、今の事務所入りを決めたのは有名な話ですが、RMをはじめとする年上メンバーから大いなる影響を受けて、精神的にもっとも成長したのは彼なのではないでしょうか。
現在のJUNGKOOKの才能は、そのほとんどがメンバーの中で育まれたと言っても過言ではありません。一番年下だったぶん、年上メンバーのひとりひとりを憧れの対象として、その長所を存分に吸収したのが彼なのです。その意味で、彼こそが「ミスターBTS」と言える存在です。
彼は、歌やダンスなど何をやっても完璧な末っ子という意味で、「黄金マンネ」と言われています。誰が見てもそう思えますが、むしろ彼を彩っているのは、この詩の中にあるような「痛みを鎮(しず)めてほしいと祈るのではなく 痛みに打ち克(か)つ心が欲しいと」という、もっと強くなりたい、もっとできるようになりたいというたゆまぬ克己心です。周囲からどれだけ完璧と言われようと、本人はまだまだ足りないと努力し続けたから、いまの彼があるのです。
JUNGKOOKは当初、他のメンバーがうらやましかったかもしれません。SUGAやRMが自分自身の必然の中から言葉を放つことができること。JIMINやJ-HOPEが情熱を込めた唯一無二のダンスを踊れること。Vがほとんど天然で魅力的な個性を発揮していること。JINが肝心なときにまわりに流されない独特の気質を持っていることなど。そんな年上メンバーたちに彼はきっといまもあこがれを抱いていて、それが彼自身の表現を探すために努力する原動力になったことは想像に難くありません。
JUNGKOOKが最初から持っている、何色にも染まることができる色のなさや大衆性が、BTSがメジャーになる過程において決定的に重要だったことは疑う余地がありません。JUNGKOOKの透明な明るい歌声だからこそ、彼らの切実なメッセージがファンたちの心に真っ直ぐに届いた。まさに彼はBTSの宝です。
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