もうおわかりと思います。メロン果汁が2%しか入っていない「トロピカーナ100%まるごと果実感メロンテイスト」が「しっかりメロンの味」がした大きな一因は、(私の見解では)「香料の力」によるものです。
「香料」は食品添加物ですが、1種類だけではなく、何種類もの添加物が組み合わされていることが一般的です。「一括名表示」といって、何種類の添加物を使っても「香料」という2文字だけの表示でいいのです。
私が実際にジュースを開発していたときは、少なくとも10種類ほどの香料原料を混ぜて「目的の香り」をつくり出していました。
「濃縮還元」はどう作る?
ではなぜ、そんなに香料が使われるのでしょうか。
それは「濃縮還元」に理由があります。ジュースは原料の果物や野菜をしぼって作りますが、そのままだと体積が大きすぎて輸送が大変です。だから「真空低温加熱」で水分を飛ばし、濃縮します。だいたい6分の1程度に濃縮することが多いと思います。
濃縮されたジュースの素はどろどろのペースト状です。これを冷凍して工場に運び込み、水を加えて元に戻します。これが「濃縮還元」です。
体積が6分の1になれば、ざっくり輸送コストも6分の1になるし、長期保存が可能です。海外からの輸入もラクです。
ほとんどの場合、「濃縮還元」は海外で製造し、日本に運んできて、水に加えて戻す作業だけ日本で行っています。
ただ、この濃縮還元を行うと、どうしても香りや味、風味が飛んでしまいます。だから「香料」「酸味料」などの添加物で補う必要があるのです。
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